基本的な考え方・方針
当社グループは、従業員一人ひとりの成長こそが、事業の持続的成長の源泉になるという考えから、人材育成を経営上重要な取り組みであると認識しています。
当社の基本方針とミッションを理解し求める人物像を明確にし、自ら考え行動する従業員に成長するための教育に、積極的に取り組んでいます。
当社では人材育成にかかわる教育研修やしくみの体系を“SBスクール”と銘打ち、当社グループ事業の持続的成長に必要な多くのことを学び、体験する場を提供しております。事業活動にかかわる全部門・全階層に対して、必要な教育プログラムを企画し、体系的かつ計画的に実施することにより、事業に有為な人材の育成を行い、当社グループ事業の持続的成長と企業価値の向上を目指しております。
“SBスクール”は、従業員一人ひとりの成長こそが、事業の持続的成長の源泉になると考え、在籍するすべての従業員を受講対象者としており、在学期間は従業員が当社に入社してから退職するまでのすべての期間です。
求める人材像
当社の求める人材=育てたい人材は、「基本方針(経営理念)」である「信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。」とミッション「プラスチックのより高度な機能を創出し、その製品・サービスが顧客の価値を高める役割を担える会社、高機能化学品分野で持続的な成長ができる会社、グローバル・エクセレント・カンパニー(国際優良企業)を目指す。」を理解し、当社の持続的な成長に自立的に貢献できる人材です。
具体的には、次の4つの自立的人材像となります。
住友ベークライトの自立的人材像
- 1. 仕事に必要な新知識・新技能の習得に意欲的な、成長志向型の人材
- 2. 現状に満足せず、絶えずもっと良い仕事のやり方を考える、変革志向型人材
- 3. より高い成果を求め、個人の力と周囲の力のベクトルを合わせるチーム型の人材
- 4. 知識と技能に優れ、国内外の仕事において通用し成果を生み出すプロフェッショナル人材
[TOPIC]モノづくり強化に向けたSBPSの教育
SBPS活動は、当初は生産現場の改善活動から始まったものですが、現在では「顧客・社会の求める価値づくり」を目指し、全社で取り組む活動へと進化してきています。当社が継続的に発展するために必要な収益・安全(人・設備・環境・品質)を確保する活動であり、具体的に目標(金額・数量・納期)を定め、それぞれ誰がいつまでに達成するのか計画し、遅滞なく実行していく、まさに日々の業務そのものといえます。いつの時代でもそれを進める個人の持つ技術、知識、経験とたゆまぬ改善意欲によって、成果に結びつけられると考えています。こうした趣旨を踏まえ、SBスクールの一環として階層別、レベル別に教育プログラムを体系化しています。教育の企画、運営は社員の自主運営を原則としています。
受講者に対しては、レポート提出に加え、学習した内容を自部門で実践してもらうことに重点を置き、定期的なフォローアップも進めています。 階層別教育の一つに、現場監督者育成講座があります。将来の職場リーダーを育成することを目的としたこの講座は、2013年度に開始し、107名の方が受講しています。
現場監督者養成講座の様子
[TOPIC]次世代インターンシップ・会社見学の受け入れ
次世代を担う若者たちの成長をサポートするため、学生のインターンシップや当社グループの事業、工場で行っている業務への理解を深めていただくための説明会・会社見学(工場見学、ウェブ見学)を、積極的に受け入れています。
社内教育機関「SBスクール」
当社グループは、2007年9月に社内教育機関として「SBスクール」(Sumitomo Bakelite School)を開校しました。
生涯学習を通じて当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指し、事業活動にかかわる全部門・全階層の従業員を対象に基本方針やCS推進・コンプライアンス・人権・労働安全・品質・環境などの基本知識を周知する「全社員教育」をはじめ、従業員に必要な教育訓練を企画し、体系的かつ計画的に実施しています。
2023年4月から2024年3月までの1年間には、延べ約67,000名の従業員が、延べ約77,000時間の教育を受けました。今後もさらにさまざまな教育プログラムを企画・実施し、最も貴重な経営資源である従業員一人ひとりの能力開発を通した人材育成に取り組んでいきます。
SBスクール(階層別教育)の受講状況(2023年度)
教育名 | 受講人数 | 教育のねらい |
---|---|---|
ライン部長教育 (ベーシック) |
20 | 自らの意思を持って自組織の方向を示し、経営トップから現場へと目標を連鎖させるマネージャーを育成するための教育プログラム |
リーダーシップ開発教育 | 10 | 組織の長としてマネジメントを行うために、360度サーベイを通じて現在の自身を振り返り、マネージャーとしてのリーダーシップをさらに高める教育プログラム |
MG1教育 (アドバンス) |
31 | 経験を積んだMG1を対象に、マネジメントの原理原則を体系的に整理し、理解を深める教育プログラム |
MG1教育 (ベーシック) |
34 | MG1昇格者を対象に、管理社員に期待される役割について考え、意識変革と行動変容を促すための教育プログラム |
職班長教育 | 24 | 各事業所の職長、班長を対象に、リーダーとしての行動を考え、現場での活動に活かすための教育プログラム |
中堅社員教育 | 21 | 若手から中堅となり会社を牽引するステージに入るタイミングで、改めて自分自身を振り返り、新たな気づきを得るための教育プログラム |
入社3年目教育 | 29 | 2年間を振り返り、これまでの経験を共有し、3年目以降の会社生活をより充実したものにする手がかりを得るための教育プログラム |
新入社員フォローアップ教育 | 27 | 新入社員を対象に、1年間の振り返りを通して、自分自身の強み・弱みを再確認し、2年目以降のさらなる成長を促すための教育プログラム |
新入社員教育 | 27 | 新入社員が配属後に、職場の一員として活躍していくための基盤をつくるための教育プログラム |
ライフプラン教育 | 78 | 定年退職を控えた社員が、さらにキャリアを充実させるために、意識すべき点を検討し、定年後の生活設計を行う学びを得るための教育プログラム |
合計 | 311 |
技術討論会の開催
当社が展開している複数の事業・部門の壁を越えて技術を共有し、連携して全社の技術力を高めるため、2023年11月に「技術討論会2023」を開催しました。オンラインとリアルのハイブリッド方式で実施しました。4日間にわたり研究部門・生産関係部門・マーケティング・営業などの関係者を中心に、国内外から300名以上の従業員が参加しました。視聴した従業員は延べ1,400名以上となりました。2024年度も同様の方式での開催を予定しています。
最優秀賞に選ばれたPromerus
現場改善発表会の開催
各事業所で行っている日頃の改善活動の成果を発表する場として5月に開催されている「現場改善発表会2023」は会場参加とオンライン配信のハイブリッドで実施しました。国内外の生産部門を中心に400名弱の方が聴講しました。
最優秀賞に選ばれた尼崎工場 統轄フィルムシート製造部
品質管理のスキル向上
品質意識の高揚、品質問題の未然防止、品質技術の向上を目指し、9のプログラムをSBスクールに設けて品質教育を実施しています。また、品質月間の11月には、毎年全従業員を対象にe-ラーニングでの品質教育も行っています。
技術系2年目社員教育を当社教育とし、研究部門や生産技術部門などに配属された従業員が初期から、当社の品質方針・品質保証に対する考え方、規則、品質マネジメントシステム、問題解決手法(FTA、FMEA、なぜなぜ・深掘り分析)、統計手法などについて、講義と演習を実施しています。品質一般、規則、マネジメントシステムなどは、事務系社員も教育対象としました。
昨今の変動が激しく、不確定要素が多く、複雑で曖昧さの多いVUCAの時代の中で、経験だけでは対応できない都度の局面において適正に判断できる人材の育成を念頭に、「品質管理責任者育成講座」のカリキュラムの充実を図りました。品質管理責任者として即戦力になるような人材の確保に力をいれています。
また、IoTが進み工程情報がビッグデータで提供される時代に対応するため、ビッグデータの見える化と分析活用への取り組みを進めています。
環境教育
当社の研究所・工場では、さまざまな化学物質を取り扱っています。周辺地域の環境保全と作業時の従業員の安全のためには、化学物質の性質をよく理解するとともに化学物質に関連する法令についても内容を深く理解する必要があります。このため、新入社員など多くの従業員を対象に、定期的に集合教育を行っています。
さらに、集合教育とは別に6月を環境強化月間と定めており、毎年全社員を対象としたe-ラーニングによる環境教育を実施しています。
昨今、グローバル展開している企業では、サステナビリティを軸にした情報発信が増えています。サステナビリティとSDGs、CSR、レスポンシブル・ケア、ESGなどとの関連性や概要を学んだ上で、当社が取り組んでいるさまざまな環境や安全に関する活動について学習し、理解を深めています。
エンゲージメントサーベイ
当社は、プラスチックの可能性を広げ、お客さまの価値を創造することを通じ、未来に夢を提供する会社を目指して、機能性化学分野における「ニッチ&トップシェア」を実現し、事業規模の拡大を図るための施策を現在進めています。
これらの施策をより効果的なものとするためには、個人と組織の現状を把握し、問題に対して解決のための対策を打つ必要があると考えています。そこで2019年7月に初めてエンゲージメントサーベイを実施し、調査結果をもとに、挑戦する文化の醸成や人事制度の見直し、働き方改革、各事業部門において立案した各種アクションプランに取り組みました。
2023年3月には第2回のエンゲージメントサーベイを実施しており、第1回からの推移や新たな課題を把握し、今後も調査結果に応じた効果的な取り組みを実施していきます。
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