成形材料・成形品
EVバッテリー向け耐火性成形材料

製品紹介

製品イメージ

火によっても融けないプラスチック

フェノール樹脂成形材料の成形品は加熱しても融けないという特徴があり、耐火性・耐燃焼性に優れたプラスチックです。射出成形もできることから、部品の形状に高い自由度を持っています。そのため、様々な形状の部品を成形することが可能です。

特長

耐火性

新開発のPM-5820は、従来ラインナップから耐火性が大幅に向上しています。

強力なトーチバーナーの火力に10分間さらされても成形品の変形や灰化進行を大きく抑制できる特徴があります。炎の貫通が起きにくいため、熱暴走の進展や連鎖を遅らせる効果が期待できます。

トーチバーナー写真

トーチバーナー(2.2kW)    10分連続 火炎試験

  • サンプルサイズ    120mm x 120mm x 厚み1mm
  • 連続火炎 10分後
Cold side(裏側面) Cold side(裏側面)
Hot side(接炎側面) Hot side(接炎側面)

成形性

PM-5820は、薄肉成形性など優れた射出成形性を有しており、部品の形状に高い自由度を持っています。熱可塑性樹脂(エンジニアリングプラスチック)に代わって本材料を使用することで、優れた耐火性を有する複雑形状のプラスチック部品が実現可能となります。

また、EVバッテリー用途で耐火性を目的に使用されるFRPやSMCなどのシート状プラスチック材料やマイカシートなどの無機シート状材料が抱える形状自由度の課題も解決できることから、EVバッテリー部品の省スペース化や安全性の向上に貢献することができます。

用途例

耐火性に優れるバッテリー部品向けフェノール樹脂成形材料PM-5800シリーズは、火災時の類焼防止や内部部品保護、高温での形状維持が求められる用途に適しています。

例)熱暴走対策が求められるEV(電気自動車)用リチウムイオンバッテリー関連部品

  • バスバー、コネクターカバー、端子台、絶縁板
  • 耐火プレート
  • セルホルダー
  • 高温ガス排気ダクト
バッテリー写真

Composite Battery Moduleプロジェクトについて

既存のEVバッテリーモジュールのハウジング設計を再評価し、熱硬化性樹脂複合材料を使用した代替構造を探索・提案することを目的に、Fraunhofer研究機構と共同でComposite Battery Moduleプロジェクトを進めており、実際のバッテリーモジュール動作試験によるデータ取得を進めています。

テクニカルデータ

バッテリー部品向けフェノール樹脂成形材料

項目 PM-5800
低比重
PM-5810
高強度
PM-5820
高耐火
耐火性(連続火炎耐性) 対 UL94 Vバーナー
対 UL94 5Vバーナー
対 トーチバーナー
比重 - 1.52 1.78 1.91
曲げ強さ MPa 125 210 190
曲げ弾性率 GPa 9 16 21
絶縁破壊強さ(S/S) MV/m 10 9 10
  • 上記のデータは参考値です。
  • 耐火性(当社社内法で試験)
    試験方法: 120mm x 120mm x 2mm厚み試験片の片面に各バーナーで連続的に5分間火炎を与えた。
    判定基準
    ◎: 炎が貫通せず、裏側の灰化も抑制されている
    ○: 炎は貫通しないが、裏側の灰化が進行している
    △: 2分程度で炎が貫通

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