生物多様性

生物多様性保全の取り組み

当社グループの事業活動は、自然からの恵みに依存しています。当社グループの「レスポンシブル・ケア活動方針」の理念をもとに、生物多様性の保全の重要性を認識し、これらの取り組みの一環として「経団連生物多様性宣言」推進パートナーズに参加。指針に示された生物多様性の重要性を認識し経営の基本に反映するため、これらの宣言に沿い、環境負荷低減の推進や調達方針への展開、国内一部の事業所にビオトープを形成するなどの保全活動を通じた社会との対話を推進しています。海外では希少植物の植樹などの地域の取り組みにも参加しています。

[TOPIC]「生物多様性のための30by30アライアンス」への参画と「自然共生サイト」の認定

2021年6月、英国で開催されたG7サミットにおいて合意された「G7 2030年 自然協約(G7 2030 Nature Compact)」では、「生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)」というゴールに向け、各国が2030年までに自国の陸域と海域の30%以上を健全な生態系として効果的に保全・保護すること(=「30by30 (サーティ・バイ・サーティ)」)について約束しています。

日本でも「30by30」の達成に向け、環境省主導のもと「生物多様性のための30by30アライアンス」が発足しました。このアライアンスでは、国立公園などの保護地域の拡充に加え、保護地域以外の保全されてきたエリアをOECMとして認定するしくみを開始します。

当社も2022年6月に「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、静岡工場にあるビオトープ「憩いの杜」のOECM認定取得と、2030年までに陸と海の30%の保全への貢献を目標に掲げています。

環境省では「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」に認定する制度が令和5年度(2023年度)から開始し、「自然共生サイト」認定区域のうち、保護地域との重複を除いた区域については、OECMとして国際データベースに登録することとしており、当社は『令和5年度前期「自然共生サイト」』の募集において静岡工場にあるビオトープ「憩いの杜」が評価され認定を取得しました。

自然共生サイト認定ロゴ
ビオトープ「憩いの杜」

ビオトープ「憩いの杜」

  • ※保護地域以外で生物多様性保全に資する地域。 Other Effective area-based Conservation Measuresの略。

[TOPIC] 「2023年度 緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)「関東経済産業局長賞」受賞について」

工場とその周辺環境との調和を図ることを目的とする「工場立地法」の精神を踏まえ、工場緑化を積極的に推進し、工場内外の環境の向上に顕著な功績のあった工場などを表彰する制度(総称して「全国みどりの工場大賞」)において、緑地管理のほかビオトープを通じた取り組みが評価され令和5年度緑化優良工場等「関東経済産業協局長賞」を受賞しました。

2023年度 緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)「関東経済産業局長賞」受賞

「自然共生サイト」とは

ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みの一つとして、環境省では、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取り組みを令和5年度から開始しました。本年4月から申請受付をし、有識者審査を経た結果、この度、初めての環境大臣認定を122か所(35都道府県)にて行うことが決定しました。今回認定が決定した122か所の合計面積は約7.7万haであり、これは国土の約0.2%、東京23区を超える大きさになります。


住友ベークライト 静岡工場内 ビオトープ 『憩いの杜』について

〒426-0041 静岡県藤枝市高柳2100番地 住友ベークライト株式会社 静岡工場内
見学の申し込みはHPをご確認ください。

[TOPIC]ビオトープおよび出前授業の取り組み

国内外の当社グループ事業所と生物多様性が重要とされる保護地域との関係を調査した結果、当該地域内に立地する事業所はありませんでした。しかし、保護地域ではないものの、静岡県藤枝市に当社が所有・立地する静岡工場は2011年度に行った敷地内生態系調査の結果、地域の絶滅危惧Ⅱ類(VU)のミナミメダカが確認され、生物多様性保全の必要性が高いと判断し、企業ビオトープの形成を行い保全活動に取り組んでいます。ビオトープは、造成・整備が2017年3月に完了し、静岡工場敷地面積287,000m2の約5%におよぶ広さの中に、ミナミメダカ以外にも古代ハスの大賀ハスやヤマトタマムシなど、多様な動植物が生育・生息しています。

生物多様性における当社ビオトープの意義を地域へ発信、ビオトープ内に定着し増加しているメダカの近隣各所へのご提供など、地域とのコミュニケーションを継続しています。

2023年度は、一般公開を3年ぶりに再開し、113名の来場者がありました。ビオトープを中心とした生物多様性保全の取り組みについて近隣小学校との対話は継続しており、前年度と同様に出前授業およびビオトープを活用した校外学習、その他の要請に対応しています。近隣小学校3校へ延べ約60匹のメダカの提供、および4校(延べ330名)へ出前授業としてミナミメダカの保全方法、当社におけるSDGsの取り組みなどを紹介しました。また、校外学習としてビオトープへ春・秋の2回に分けての来訪(延べ228名)と出前授業とビオトープ見学のセット学習が昨年度に続き1校(86名)ありました。引き続き近隣小学校を中心とした地域との交流を深めていきます。

ビオトープ

ビオトープ(彩りの丘)

メダカ

ミナミメダカ(絶滅危惧Ⅱ類(VU)

遠足

小学生遠足

出前授業

小学生出前授業

森林生態系を守るための取り組み

当社は、環境NPOオフィス町内会を通じて、間伐事業支援や植林活動など、森林を守ることで生物多様性の保全に貢献しています。間伐事業支援では、2008年度から一般の紙を「間伐に寄与する紙」(森の町内会)に替えることで、主に岩手県の森林の間伐事業を支援しています。

2008年度からの紙の累計使用量は約95,600kgとなり、6.38haの間伐促進に貢献しています。

インドネシアの事業所ではさまざまな海洋生物を守るマングローブの林を育成する植林活動や気候変動を緩和するための活動を行っており、今後も、各事業所が立地する環境に合わせた生物多様性保全を行っていきたいと考えています。

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