In vitro hair follicle growth model for drug testing
Tatsuto Kageyama, Hikaru Miyata, Jieun Seo, Ayaka Nanmo and Junji Fukuda
Sci Rep 13, 4847 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-31842-y
Copyright © Authors 2023
This article is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License (CC BY).
薬物試験のためのin vitro毛包成長モデル
背景
脱毛はさまざまな原因を持つ複雑な問題です。主な治療法は薬物療法ですが、効果が低いなど課題があります。薬効評価を行う際に、一時的な細胞反応ではなく、体内環境を模倣した細胞培養アプローチが必要です。上皮と間葉の相互作用が毛包の成長に重要であることが知られており、著者らのグループはマウスとヒトの細胞を使用して、高い効率で毛包を再生する培養システムを開発しました。本論文は、このアプローチが脱毛症の治療のための有望な薬物試験プラットフォームとなる可能性を示しています。
本研究の成果
PrimeSurface®プレートを使用し、細胞とマトリックスの組み合わせを用いたことで毛包を形成し、Hair peg-like sproutingの形成に成功しました。
Minoxidilに暴露したときのsproutingが伸長したことで、この方法は発毛促進剤などの評価試験に使用できる可能性が示されました。しかし、この研究では成熟した毛包は形成されませんでした。成熟した毛包を生成するためにはさらなる改良が必要であり、それは脱毛症の治療や毛髪再生医療に影響を与えうるでしょう。
【Fig.1】
ヒト毛包成長モデル誘導形成図:毛包は、ヒトの上皮細胞と間葉細胞の自己組織化によって形成され、In vitroでsprouting structuresが形成された。発毛を促進する薬剤候補に暴露した後Sproutingの長さの変化を調べた。
※詳細は 論文 をご参照ください
本研究におけるPrimeSurface®の使用方法
細胞 | : | 胎児/成人の上皮細胞+間葉系細胞(それぞれ5 × 103 cells) AGA患者由来毛包幹細胞 + 毛乳頭細胞(それぞれ5 × 103 cells) |
---|---|---|
培地 | : | 2% v/v Matrigel もしくは collagen入り DMEM/F-12 |
手順 | : | PrimeSurface® 96Uプレートを100 × g で2分間遠心し、4℃にて30分以上静置したのち、5% CO2インキュベーターにて培養 |
薬剤処理 | : | D4のときにMinoxidilが10μMになるようにDMEM/F-12に添加し、D10まで培養 |
アッセイ | : | In vitro hair-like sprouting assay(顕微鏡観察、組織学的および免疫組織化学的染色) |
結果 | : | Minoxidil処理によりHair peg-like sproutingが伸長 |
※詳細は 論文 をご参照ください
品番 | 品名 | ウェル数 | 色 | ウェル 底形状 |
ウェル 容量 |
包装 | 参考単価 (円) |
参考ケース 価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MS-9096U | PrimeSurface® 96Uプレート |
96 | 透明 | U底 | 300 μL | 1/包, 20/ケース | 1,730 | 34,600 |
注記
- 放射線滅菌済
- 保管温度: 室温, 有効期限: 製造後2年
- 参考価格(本体価格・税抜)
トピックス すべてを見る
- 2025/01/27 メルマガ S-BIO Insight『毛包誘導形成にPrimeSurfaceを活用!最新研究の成果をご報告』
- 2025/01/20 製品情報 新製品「EZGlyco® mAb-N kit with APTS」発売のお知らせ
- 2025/01/20 製品情報 ステムフル®の新規アプリケーションデータ「細胞回収用低吸着遠沈管ステムフル®のF-hiSIEC™(ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞)回収における比較試験」を追加しました
- 2024/12/25 メルマガ S-BIO Insight『ヒト母乳の糖鎖分析による新たな発見』を配信しました
- 2024/12/13 製品情報 PrimeSurafce®の新規アプリケーションデータ「PrimeSurface®プレート96Vを使用した階層スフェロイド型BBBモデル」を追加しました
- 2024/11/29 メルマガ S-BIO Insight『真菌研究にPROTEOSAVE™を活用:植物と真菌の相互作用における新たなメカニズムの発見に関する論文をご紹介』