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PrimeSurface®論文紹介

Hypoxia inducible factor-1α promotes trichogenic gene
expression in human dermal papilla cells

Jieun Seo, Lei Yan, Tatsuto Kageyama, Ayaka Nanmo, Yang-Sook Chun and Junji Fukuda

Sci Rep 13, 1478 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-28837-0

Copyright: © 2023 by the authors. This article is an open access article distributed under the terms and conditions of the Creative Commons Attribution (CC BY) license (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).

HIF-1αの役割と髪の再生
~脱毛症治療への新たなアプローチ~

背景

髪の毛は頭皮に存在する毛包(hair follicle)と呼ばれる器官で作られています。髪の毛は成長期、退行期、休止期を経て抜け落ちたあとまた新しく生えてきますが、男性型脱毛症(AGA)では、成長期間が徐々に短くなり、毛髪が十分に太く長く成長できないと言われています*
毛包にある毛乳頭細胞(Dermal papilla cells、DPCs)は毛の発育と成長プロセスに重要な役割を果たしていますが、毛髪再生のメカニズムにどのように寄与し、特にAGA患者の場合、それがどう変化するかはまだ完全に解明されていません。

本研究の成果

HIF-1α(hypoxia-inducible factor-1α)は低酸素誘導因子で、細胞内が低酸素状態に陥った際に活性化される転写因子です。AGA患者の頭皮組織おけるHIF-1αの発現は、健常者に比べて有意に低いことやin vivoの環境を再現した毛乳頭細胞3次元スフェロイド培養実験の結果から、HIF-1αがAGA患者の頭皮組織では抑制され、毛包の発育に影響を及ぼす可能性があることを示しました。治療方法として植毛であれば高いHIF-1αレベルをDPCで維持すること、薬治療であればHIF-1αを標的とすることが、それぞれ有効かもしれません。

本研究におけるPrimeSurface®の使用方法

単層培養と比較を行うため、毛乳頭細胞の3D培養を実施しました。3D培養にはPrimeSurface®96Uプレート(MS-9096U)が使用されました。

細胞 :     DPCs (PromoCell, Heidelberg, Germany)、si-HIF-1αでHIF-1αの発現を抑制したDPCsとコントロール
播種密度 : 1✕104 cells/well
培地 : Follicle dermal papilla cell growth medium (PromoCell, Heidelberg, Germany)
単層培養と毛乳頭細胞の3D培養比較。PrimeSurface 96Uプレート使用

Fig.3

3D培養では酸素勾配によるHIF1Aの発現が上昇、si-HIF-1αでHIF-1αの発現を抑制したDPCスフェロイドでは毛髪誘発遺伝子の発現が低下

※詳細は論文をご参照ください

  • * 相馬 勤, 毛包の退縮機構の解明と育毛薬剤開発への応用, 2007
品番 品名 ウェル数 ウェル
底形状
ウェル
容量
包装 参考単価
(円)
参考ケース
価格 (円)
MS-9096U PrimeSurface®
96Uプレート
96 透明 U底 300 μL 1/包, 20/ケース 1,730 34,600

注記

  • 放射線滅菌済
  • 保管温度: 室温, 有効期限: 製造後2年
  • 参考価格(本体価格・税抜)