未来に向けて価値創造を加速するDX戦略
当社グループは、前中期経営計画の取り組みを継続、さらに進化させ、「2030年ありたい姿」の実現に向けて、全社横断で経営の重要課題であるDXを推進していきます。
重要テーマである「データドリブン経営を支えるシステム基盤の強化」「先進的インフォマティクス技術による研究・開発力アップ」「スマートファクトリー化による人生産性向上」「デジタル技術を活用した業務変革」を実現するためには、全従業員がデジタルを前提に考えるマインドを持つこと、そしてデジタルリテラシーを向上させることが必要であり、それがデータ・デジタル技術を活用して変革を起こす組織風土の醸成につながると考えます。
またDX推進を加速させるためには、デジタルを活用して企業競争力向上に貢献するデジタル推進人材を育成していくことが重要となります。デジタル推進人材の育成においては、事業・業務変革の実現に必要となる人材像を定め、スキル・知識向上のための教育のみならず、実践の場をスキル向上の糧とし、成果を上げていくことにつなげていきます。
全従業員がデジタルに精通することでDX推進の土台となり、デジタル推進人材が組織全体のデジタル化を通じて生産性向上とイノベーションをリードし、ともに持続的成果を生み出し、DX 推進が今後の当社グループの発展のための一つの手段となることを目指します。
変化に強く、持続可能なデータドリブン基盤を構築する
外部環境や事業環境の変化が激しい中、企業競争力を向上させるためには、迅速な意思決定を行うことが重要となります。そのためには、全社でタイムリーにデータを活用できるデータドリブン基盤の整備が必要です。
当社グループでは、人によるデータ集計、加工や編集に頼ることなく、これらを自動化し、現場から経営まで、誰もが、「一貫性のあるデータ」を、「必要なタイミング」で、「ほしいデータ粒度」で、「見える化、分析に活用」できることを目指します。またそれを実現するためには、データを生み出す業務プロセスの標準化と全体最適化も必要です。
ありたい姿として、グローバルを視野に入れながら、まずは国内を対象に、未来に向けて、変化に強く、持続可能なデータドリブン経営の基盤整備を進めていきます。
先進的インフォマティクス技術による研究・開発力をアップする
人とデータとの協奏を通じた社会課題解決力、素材創造力の向上を目指して、データ駆動型の研究・開発を全社で推進しています。
研究所での日々のデータを蓄積し、適正に管理するための「研究・開発データ基盤」の運用を開始し、さらに蓄積したデータを最大限に生かす「材料開発支援のためのウェブアプリケーション」の利用を開始しました。
また、インフォマティクス技術の技術革新が進む中、これまで以上に発展し、成果を創出できるように「自律的に最適条件を探索するシステム」の開発を進めていきます。
これらに加えて、「プロセスを対象としたインフォマティクス技術」や、「シミュレーションを活用した材料開発技術」などの導入と社内実践を進め、研究・開発力のさらなるアップにつなげていきます。
モノづくりのスマートファクトリー化のさらなる進化を目指す
モノづくりでは、人に頼らない生産システムのさらなる進化を目指し、導入を進めている国内5事業所、海外5拠点の条件設定自動化、オートパイロット制御の進化およびロボティクス活用を実現させていきます。
生産ラインでは、品番ごとの条件設定自動化、生産条件情報(温度、圧力、流量、振動など)を各種センサーを用いてデジタルデータ化し、そのデータを連続的に収集、蓄積し、自動監視、オートパイロット制御、見える化への活用を実現しています。また、ロボティクス技術を積極的に活用し、横持ち移動など付加価値を生まない作業の自動化を本格稼働していきます。製造業では、少子化による採用人数の減少、熟練作業者の退職による技能の損失などが、先送りできない課題となっており、また気候変動による自然災害の発生などをはじめ、不測の事態への備えも必要であり、海外拠点を網羅した生産情報の一元化などによる、世界規模のモノづくり体制で社会活動を支えていきたいと考えています。
今後は、M&Aなどにより子会社化した欧米生産拠点にも順次展開していく準備段階であり、異なる文化や価値観への配慮を忘れず、適切に検討導入していきます。
全従業員がデジタル技術を活用した業務変革を加速する
生成AIに代表されるように、デジタル技術の進化の速さが今までの予想を上回る中、今必要なデジタル技術を見極め、活用していくことが、企業競争力向上の鍵となるとも言える時代です。
そうした時代の流れに遅れることなく、当社グループの強みを高めていくためには、全従業員のデジタルスキルを向上させ、データ・デジタルを活用する組織風土の醸成(全社力向上)が必要です。当社グループでは、従来のITで業務を改善する、効率化することにとどまることなく、データ・デジタル技術を使って、従業員が自ら業務変革を推進できるよう、RPA、AI-OCR、ノーコードツール、BIなどを活用した自走化(IT部門に頼ることなく自ら開発)を推進しています。各自がデジタルに興味を持ち、デジタルに強くなることで、自身の働き方改革にもつながる業務のDXを推進していきます。
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