グローバルマーケティング本部の取り組み
住友ベークライトの
技術優位性と
マーケットを俯瞰し、
新たな価値創造を目指す
副社長執行役員
グローバルマーケティング本部担当
朝隈 純俊
グローバルマーケティング本部の役割
グローバルマーケティング本部は当社グループが持つ技術優位性や事業領域を熟知したメンバーが幅広い視野を持って、全社製品のマーケティングを行う組織です。「新」にこだわりを持ち、「新領域」への参入や「新市場」の創出を目指しています。そして、そのために重要なのが「顧客との共創」です。新しい分野で先進的な研究開発を行っている顧客を見極めて関係構築を図っていきます。
全社の重点領域にリソースを投入し、One Sumibeでマーケティングに取り組む
グローバルマーケティング本部は日本に加えて、中国、欧州、米国といった当社グループがビジネスを行う主要地域に人材を配置し、さらに、市場拡大が見込まれるインドにも2024年に社員を派遣しました。グローバルに配置されたメンバーが定期的にコミュニケーションを取り合い、一体感を持って取り組んでいます。そして、私たちが特に注目している分野は、全社で重点領域と定めたICT、モビリティ、ヘルスケアと、さらにエネルギーです。これらの領域は市場規模が大きく、DXやGXに関連しているので今後の成長性も期待でき、社会に貢献できる分野です。全社の各部門とコミュニケーションを取り合い、One Sumibeで新しい分野のマーケティングを行います。
ICTでは、AIサーバーなど高速・大容量通信を将来支える光電融合技術に関して、光回路材料を早期に市場へ展開すべく光回路事業開発部とともにマーケティング活動を行っています。
モビリティでは、樹脂化e-Axleやパワーモジュール関連材料で各事業部門と連携を深めながらビジネス拡大に努め、新領域であるeVTOL(電動垂直離着陸機)のモーターなどにも当社技術を展開しています。さらに、安全・安心を支えるADAS(先進運転支援システム)にかかわる光通信でも光回路材料の技術を生かしていきます。
ヘルスケアでは、予防医療や遠隔医療などで期待されるバイタルセンシング技術関連材料へのニーズを顧客よりヒアリングし、研究所へ課題を落とし込み、材料開発に貢献していきます。
エネルギーではカーボンニュートラルに貢献する将来有望な再生エネルギー分野に注目し、グローバルに展開しているメンバーでマーケティングを行っています。
このように各領域で長期的な視点を持って、新たな価値を全社力で創出できるよう進めます。
「顧客との共創」を実現するために顧客との関係を築く
重点領域で「顧客との共創」を実現するために、当社グループは装置メーカーや原料メーカー、アカデミアなどとも協業して、顧客にソリューションを提案し、価値を創造していきます。また、当社グループの技術や製品を顧客に知っていただくプロモーション活動も重要です。具体的には各地域で開催されている大規模な展示会への出展や重要顧客へのインハウス展示会です。これらのイベントは「One Sumibe活動」の一環として各事業部門とも密接に連携を図りながら、顧客にマッチした展示品や見せ方の工夫を行い、双方にとって有意義な展示会となるよう心掛けています。地道な取り組みとコミュニケーションの工夫が次のステップへとつながっていくのです。
「顧客との共創」により、新たな環境・社会価値の創出へ
地道なマーケティング活動や既存事業の顧客との関係からともに新しい価値を創造する取り組みが始まっています。当社グループは「CS(顧客満足)向上」を20年以上前から謳っており、顧客の声を聞き、ともに課題に取り組む企業風土があります。当社グループが経営の重要課題として掲げた「環境・社会価値の創造」の実現を加速していくために、より多くの顧客と新たな価値の創造を目指していきたいと考えています。
「One Sumibe活動」の取り組み
組織の一体感を醸成し、
全社力を最大化していく
執行役員
One Sumibe 推進協議会 推進責任者
田中 厚
住友ベークライトグループのCS(顧客満足)向上
当社グループは1998年に「CS(顧客満足)向上」を掲げ、顧客の声に耳を傾け一緒に課題解決に取り組み、信頼関係を構築することで事業基盤を強固なものにしてきました。このCSの精神は当社グループの事業運営の基本的な考え方として根付いています。
CS向上のための施策は、社長を委員長とする「CS推進委員会」で議論されています。この3年間の方針は「顧客満足」から一歩踏み込んだ「顧客感動」を目指し、従業員の意識改革を促すとともに活動の見える化を促進することです。この施策の一つが「One Sumibe活動」です。
組織横断で顧客の真のニーズに応えるソリューション提案
「One Sumibe活動」は、2017年にCS向上の考えのもと、各事業部門が横断的に連携し、顧客に当社グループとしてソリューションを提供していくためにスタートしました。「Sumibe」 とは、住友ベークライトに愛着を持ってくださっているお客さまや当社グループの従業員が以前から呼んでいる「住べ(スミベ)」という愛称から取りました。当初は、当社グループがより強固な関係を構築していきたい重要な顧客に対して部門横断のチーム(「重点顧客実践チーム」)を結成し、さまざまな活動をしてきました。従来の部門縦割りの進め方ではなかなか実現できなかった顧客事業所での全社技術・製品のインハウス展示会などで実績を積みながら、多くの顧客との信頼関係を築いてきました。
「One Sumibe活動」は、CS推進委員会のもとで営業本部長や事業部長が参画するOne Sumibe推進協議会で毎年の活動を企画・実行・レビューしています。最初は、顧客との関係構築に主眼を置いた「One Sumibe活動」でしたが、部門横断の活動が社内の活性化につながることがわかってきました。重点顧客実践チームで活動したメンバーは声をそろえて、「横のつながりができて良かった」と言うのです。そこで、中期経営計画が新しくなるこのタイミングで、改めてOne Sumibeの理想のありたい姿を見直し「自律的な連携で、新たな価値を創造するOne Sumibe活動」と定めました。この新中期経営計画の目標は「One Sumibeが組織文化として国内外、製販研、拠点を問わず、根付いている」状態として、これまでの営業・マーケティングのメンバーを中心とした重点顧客実践チームに加えて、研究や工場のメンバーも参画する「重点領域拡販チーム」や各部門の取り組みの情報共有を進め、グループ内の連携をさらに強く、太くしていく「インフルエンサーチーム」を結成しました。これらの活動を有機的につなげていき、お客さまが感動するような製品・サービスを届けていきたいと考えています。
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