信頼を得て着実な成長軌道へ
若林取締役は、2024年6月に新たに社外取締役に就任されましたが、住友ベークライトにどのようなイメージをお持ちでしょうか。住友ベークライトの経営に関与するに当たっての抱負や期待についてもお聞かせください。
若林:
住友ベークライトには、自社の歴史を大切にしながらも、新たな方向にも真面目に挑戦している会社というイメージを持っています。現在の住友ベークライトは、さまざまな領域に進出しており、それぞれの分野での成長とその組み合わせによる成長の可能性を楽しみにしています。私はその成長のお手伝いをしていきたいと思っています。
再任されたお二人は、前中期経営計画の最終年度において、社外取締役としてどのような思いで住友ベークライトの経営に関与されていましたか。前中期経営計画の評価などを踏まえてお聞かせください。
松田:
過去の中期経営計画では目標が未達となることもありましたので、より現実的に単年度の目標の着実な積み上げを図ることや、売上を追求するだけでなく事業利益率にこだわることなどの考え方を共有いたしました。住友ベークライト独自の経営指標であるSB-ROICなどの導入も実現された結果、前中期経営計画は上方修正されるなど、着実にマーケットの信頼を得ることができたと思います。この間に時価総額が大幅に増加したことは、その証左と言えるのではないでしょうか。
永島:
前中期経営計画の最終年度である2023年度の事業利益は、過去最高の275億円を達成しています。事業によって多少の差はありますが、原料価格上昇に対応する製品価格改定をタイムリーにおこない、成長領域への積極的な投資を実施するなど、計画に沿って着実に経営を進めた結果だと評価しています。高機能プラスチック事業については、市場成熟により成長の鈍化がみられ、ほかの事業に比して事業利益率やSB-ROICが低くなっていますが、今後は熱硬化性樹脂のパイオニアとして培ってきた技術力を生かして、収益性の高い分野にポートフォリオを変革していくことを期待しています。