社長×社員 座談会

SPECIAL INTERVIEW社長×社員 座談会

代表取締役社長藤原 一彦
情報通信材料研究所 研究部長牧原 康二
S-バイオ研究部 主査阪口 碧
複合材料・成形品営業部 主査川手 上知

個人と組織が一体となり、
新たな顧客価値創造に挑戦

住友ベークライト株式会社 代表取締役社長 藤原 一彦
住友ベークライト株式会社
代表取締役社長
藤原 一彦

1980年住友ベークライト入社。 2003年バイオ製品開発プロジェクトチームリーダー、 2007年S-バイオ開発部長、2009年S-バイオ事業部長、 執行役員、2013年常務執行役員、2014年取締役、2016年専務執行役員、2018年代表取締役社長に就任。

情報通信材料研究所 研究部 研究部長 牧原 康二
情報通信材料研究所
研究部 研究部長
牧原 康二

2006年入社。若手の頃から海外トレーニーとしてシンガポールに派遣、台湾グループ会社に駐在するなど、海外顧客とかかわりながら半導体関連材料の研究開発に従事。現在は情報通信材料研究所 研究部長を務め、先端デバイスに使われるエポキシ樹脂成形材料やシンタリングペースト材料の研究開発に取り組む。

バイオ・サイエンス研究所 S-バイオ研究部 主査 阪口 碧
バイオ・サイエンス研究所
S-バイオ研究部 主査
阪口 碧

2006年入社。藤原社長とはプロジェクトチーム時代の上司と部下の関係。2021年よりバイオ・サイエンス研究所 S-バイオ研究部に所属し、バイオ関連製品の研究開発に携わっている。主に糖鎖関連製品や新規診断薬を中心に開発に取り組んでいる。

HPP事業部 マテリアルズソリューション 営業本部 複合材料・成形品営業部 主査 川手 上知
マテリアルズソリューション
営業本部 複合材料・成形品営業部 主査
川手 上知

2007年入社。入社時より高機能プラスチック製品の営業にかかわり、2016年から4年間、タイ赴任を経験。2024年よりマテリアルズソリューション営業本部 複合材料・成形品営業部に所属し、高機能プラスチック(フェノール成形材料)の企画販売営業に携わり、幅広い材料知識をもとに、顧客要望に応えている。

「個人の自律性」を高める中で、感じる働き方の変化

牧原:

私は住友ベークライトに入社して、20年近くになります。以前はお客さまからの要求に材料提案のみで対応することがほとんどでしたが、最近は顧客のプロセスを含めて、最終製品に至るまでの困りごとを理解して、それをいかに全社の製品や技術で解決できるかを提案することを意識して取り組んでいます。現場の従業員も含めて皆が全社力でソリューション提供ができるようさらにレベルを上げていきたいと感じています。

阪口:

私が所属するバイオ・サイエンス研究所は、現場の担当者が主導で提案したボトムアップ型の開発テーマが多いです。自分たちで顧客のニーズを設定し、将来の目標設定まで決めていきます。以前は、研究所内だけで完結することが多かったのですが、近年では外部の企業やSBカワスミ、他事業部と一緒に取り組んで、自分たちの持つ技術と組み合わせた開発もするようになりました。

川手:

私は営業職で17年目ですが、入社当時から10年間ほどはモノを売るのが中心でした。それがここ5~6年で急激に、マーケティングや技術的な視点を持って、お客さまと一緒に問題解決の方法を考えるケースが増えました。私が扱う製品は素材なので、それをいかに形にするかという点で、現場を最もよく知る営業の役割は大きいです。その働き次第で、お客さまの喜びや新たな案件がつくり出せると感じています。

藤原:

いいことですね。どの事業も、当社単独では何もできません。外部の企業や機関と一緒に仕事をすることは、とても勉強になるはずです。

阪口:

DE&Iの観点でも、ここ数年で、性別にかかわらず役職に就く機会が均等に与えられるようになったと感じます。当社で、一度に2名の女性が役員に就任されたことは驚きました。働きやすさという意味では、福利厚生は以前から充実しています。私も出産した際は、育児休暇や産前産後休暇をしっかりいただきましたし、最近では、多くの男性社員が育児休暇を取得できているのではないでしょうか。

牧原:

そうですね。私の部下はほぼ100%近く取得しています。取りやすいというよりも、むしろ取りなさいという雰囲気になっています。

藤原:

当社グループはDE&Iに代表される多様性を重視していますからね。従業員の皆さんには働きやすい環境で長く働いてほしいものです。本来DE&Iは、多様な人材の個性や能力を伸ばし、事業の発展に活用するためのものなので、今後は外国人や障がいのある方など、より多様な人材がこれまで以上に活躍できる会社にしていきたいです。

住友ベークライト株式会社 代表取締役社長 藤原 一彦

「組織の一体感」向上の鍵となる、住友ベークライトの社風とは

川手:

私の所属するマテリアルズソリューション営業本部は、ボトムアップの文化が根付いてきたと感じています。最近の開発活動では、以前に比べて研究・営業の担当者同士でつくった提案内容を上司を巻き込んで試行錯誤しながらブラッシュアップして、お客さまに提案する機会が増えました。その提案をお客さまが喜んでくれて、材料の採用につながっています。役職や所属部署を超えて目標に向かって協力し合える組織であることはとてもありがたいですし、目標に対してメンバーの熱い思いもあるからこそ一体感を持って頑張れます。

牧原:

住友ベークライトは、組織として挑戦を後押ししてくれる雰囲気があると思います。自分自身も若手のうちから海外トレーニーとして、シンガポールで働く機会をいただきました。そこで現地のローカルスタッフやお客さまと直接かかわり合い、独自の文化や土地特有の考え方など、貴重な知見を得ることができました。帰国後はこのときの経験が製品づくりの過程に十分に生かされています。昔からそういう社風だったと思いますが、ここに、挑戦することが評価されるしくみづくりも伴ってきていると感じます。

藤原:

2021年に人事制度を大きく変えたことが、良い影響を与えていますね。特にこだわったのは、評価要素に「チャレンジ度」を加えたことです。大きな目標に挑戦した人がより高い評価を得られるようにしました。こうした雰囲気を後押しして「挑戦者を讃える風土」がより高まっていけば、組織はさらに良い方向に変化していくと思います。

阪口:

私は牧原さんとは違って、当社は堅実な組織のイメージです。神戸のバイオ・サイエンス研究所は、住友ベークライトの中では野心的な研究をしていました。でも他社の人と話すと、まだまだおとなしい印象です。最近は、さまざまな企業から転職してきた方からの刺激も受けますし、社内のしくみも変わり、ここからいよいよチャレンジするぞという段階かなと思っています。

HPP事業部 マテリアルズソリューション 営業本部 複合材料・成形品営業部 主査 川手 上知

組織横断の「One Sumibe活動」が、CS推進やオープンな企業風土を醸成

川手:

「One Sumibe活動」では、重点顧客に対して全社の製品を提案していくため、部署間で横串のかかわりが生まれます。これまでは各部署が個別に顧客対応していたため、たとえばお客さまから自分の担当製品以外の話をされた際に、適切な対応が困難でした。それが、「One Sumibe活動」で横のつながりができたことで、この案件はあの部署のあの人に同行してもらおうなど、相乗効果のあるアクションにつながっています。

牧原:

「One Sumibe活動」はマインドのようなものだと思います。どの部門も皆仲間なので、横の壁をつくらず、普段からのかかわり合いがあれば、他部門の製品を紹介することももっと増えていくのではないでしょうか。

川手:

最近では社内の活性化を目的とした「One Sumibe活動」で、若手からベテランまでが交流する機会も設けています。実は、今日私たちが集まったこのコミュニケーションスペース(One Room)も、この活動の提案から生まれたものです。若手の従業員が熱量を持って取り組んで、最終的に藤原社長にご承認いただきました。

藤原:

従業員同士が気軽に集まれる場所をつくることで、新型コロナウイルスの影響で減ってしまったコミュニケーションを増やそうという企画意図だったため、すぐに採用を決めました。こうした面白みのある提案が、ボトムアップから出てきたことがとてもうれしいですね。

阪口:

横串という点では、私たちのグループでは業務上の課題解決に「One Sumibe活動」を活用しています。私たちの専門分野外である装置設計を行うに当たって、コーポレートエンジニアリングセンターの設備装置技術に強いメンバーに協力してもらっています。装置メーカーとの技術的なやり取りに入っていただくことで、こちらの意図が装置メーカーに正確に伝わり、目的の装置開発がスムーズに進んでいます。市場調査の面でも、他部署の営業担当と組むことで、有益なヒアリングができたり、技術の改良に必要な情報が得られたりと、関係部門と連携を図りながらチームで業務に取り組むことで新しい挑戦がしやすくなっています。

バイオ・サイエンス研究所 S-バイオ研究部 主査 阪口 碧

全社力を最大化するために、未来志向のチャレンジを続ける

牧原:

市場、トレンドを踏まえて、当社が今後どうしていくべきかという視点で常に勉強を続けたいです。一人ひとりがそうして、自主的に考えて行動できるようになった上で、皆で同じ方向に向かっていけるかが組織の一体感向上の鍵だと思います。

阪口:

私の部署はまだ十分に売上や利益で貢献できていないと感じているため、まずは成功例をつくりたいです。皆でつくったものが製品化されて、世に認められるプロセスを皆で分かち合うために私がしなければいけないことは、「未来戦略のストーリーづくり」をしっかりすることです。成功体験を積み重ねて、組織の一体感とチャレンジ精神の醸成につなげたいです。

川手:

個人としては、自分の志向や意思をより明確に示していきたいと感じています。組織としては、電動車やエネルギー関連など世の中の新技術に適した当社の新材料を採用してもらうことが目標です。それには一層の学びが求められますし、横の人間関係も重視しながら努力していきたいです。

藤原:

このような座談会は初の試みでしたが、皆さんが現場のパイプ役として奮闘しながらも、しっかりと未来を見据えていて頼もしい限りです。私が社長になって最初に言った「人間力」の向上の定着を感じます。次のステージとしては「全社力の最大化」を挙げています。従業員の皆さんの「人間力」を向上させた延長線上に、「One Sumibe活動」やCS(顧客満足)があるように、今度は現場の皆さんの意見や判断を最大限に尊重し、「全社力の最大化」を図ることで、一緒にお客さまに感動を与えていきましょう。

情報通信材料研究所 研究部 研究部長 牧原 康二

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