リールtoリール連続基板生産に対応したロールコア材の量産開始について

2021年8月26日


住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、リールtoリールの連続基板生産に対応したロールタイプのコア材料の量産を当社宇都宮工場で開始しましたのでお知らせ致します。


開発の背景

これまで当社は、低熱膨張、高剛性、高弾性率を特徴とする半導体パッケージ基板材料(LαZシリーズ)の生産・販売を行ってきました。一般にコア材料(※1)は、プリプレグ(※2)の両面に銅箔をセットし枚葉でプレス成型・硬化させて生産されます。一方、デバイスの薄化基板、高集積化により、基板のさらなる薄化が求められており、使用されるコア材の厚みも益々薄化が進んでいます。しかしながら、薄くなればなるほど、基板メーカーでの取り扱いは難しく、歩留まり低下が懸念されますし、また、ハンドルできるメーカーも限られており、将来の低コスト、安定供給も心配されています。一方、当社では、革新的な連続生産方式でロールタイプコア材を製造することができます。


  • (※1) コア材:ガラス基材に樹脂を含浸させたシートを重ね、加圧加熱処理して得た絶縁板
  • (※2) プリプレグ:ガラス基材に樹脂を含浸させたシート

特徴

このような課題に対して、リールtoリールのロールタイプのコア材連続基板生産方式(フレキシブル基板では多く採用されています)は、工程中はロール搬送されるためほとんど人の手が介在することなく連続で基板生産ができます。それによりハンドリングロスが低減でき、さらに連続的に製品面付け可能となり材料ロスは理論的には両端のみで高い面積歩留まりが期待できます。
この度、上記コンセプトに賛同いただいた基板メーカーのご協力もあり、また、上述の市場要求とも相まって、極薄両面2層基板用で当社のロールタイプのコア材が基板メーカーでの初の量産採用に至りました。
この方式は品質安定性(厚み、物性、寸法)にも優れ、将来の極薄基板生産の様々な問題を解決できる大きな可能性を秘めています。さらに従来のプレス生産方式では製造が困難な20㎛以下のコア材を提供することもできるため、将来のさらなる薄化要求にも対応でき、かつ、コスト競争力の高い生産方式で極薄リジット基板を提供することが可能になると考えています。

当社は、ディスプレイ市場、メモリー市場など将来大きな成長が期待されているデバイスで使用される極薄2層基板をターゲットに、市場拡大を目指します。


主な用途例

  • メモリー(NAND、DRAM)
  • MINI-LED
  • LCD用MiniLEDバックライト
  • MEMS(Micro Electro Mechanical System、微小電子機械システム)


関連情報

本件に関するお問い合わせ

住友ベークライト株式会社 情報通信材料営業本部

TEL: 03-5462-4015