DIALOGUE副社長✕サステナビリティ担当役員 対談

代表取締役 副社長執行役員、
サステナビリティ推進委員会 副委員長
稲垣 昌幸
執行役員、経営戦略企画室長、
サステナビリティ推進部長、
SDGs推進委員会 委員長
沖 博美

目指すはサステナブル社会との共生
2050年に向け、
環境・社会価値を最大化

代表取締役 副社長執行役員、サステナビリティ推進委員会 副委員長 稲垣 昌幸
代表取締役 副社長執行役員、
サステナビリティ推進委員会 副委員長
稲垣 昌幸
研究開発本部、先端材料研究所、バイオ・サイエンス研究所、光電気複合インターポーザ事業開発推進部統轄生産技術本部、コーポレートエンジニアリングセンター担当。
1982年4月 入社、2009年6月 執行役員、宇都宮工場長、2013年4月 常務執行役員、2015年6月 取締役、2017年4月 専務執行役員、2021年4月 副社長執行役員(現任)、2022年6月 代表取締役(現任)
執行役員、経営戦略企画室長、サステナビリティ推進部長、SDGs推進委員会 委員長 沖 博美
執行役員、経営戦略企画室長、
サステナビリティ推進部長、SDGs推進委員会 委員長
沖 博美
1993年4月 入社、基礎研究所 ポリマー合成第一研究部、1995年11月 電子デバイス材料研究所 研究部、2000年1月 基礎研究所 研究部、2009年1月 オプト製品開発プロジェクトチーム、2010年10月 基礎研究所 研究部、2011年4月 新エネルギー・産業技術総合開発機構 事務従事、2014年4月 研究開発本部 知的財産部、2014年7月 研究開発本部、2015年10月 研究開発本部 R&D推進部長、2023年4月 執行役員(現任)、経営戦略企画室長(現任)、サステナビリティ推進部長(現任)

サステナビリティ推進のバトンをつなぐ

稲垣:

当社グループの経営理念は、サステナビリティの考え方そのものであり、従前より取り組みを行ってきました。サステナビリティ推進委員会は、当社の最上位に位置する委員会で、その下部にSDGsに関する施策の企画や実行を推進する「SDGs推進委員会」、カーボンニュートラルにかかわる技術検討や全製品のCFP(カーボンフットプリント)算出を進める「カーボンニュートラル推進委員会」のほか、「リスクマネジメント委員会」「コンプライアンス委員会」の4つの委員会を置き、それぞれの活動に指示/承認をします。私は当社グループがSDGsの取り組みを始めた2017年からサステナビリティ推進活動の指揮をとってきました。

沖:

2023年4月にはサステナビリティ推進の役割を担うサステナビリティ推進部が発足しました。その最も重要な役割は、長期的なサステナビリティ戦略の策定、提言、実行をすることです。部のメンバーが専門知識と経験を積み重ね、より効果的なサステナビリティ活動を行います。専門組織の存在は、社内の意識を高め、社内外との連携強化に役立ちます。従業員に対しては、教育プログラムやコミュニケーション活動を通して、サステナビリティの重要性や取り組みの価値も啓蒙しており、社内の意識変革が促進されています。1社で取り組むのではなく、同様な課題を抱えている企業と積極的にコミュニケーションを取り、課題解決を目指します。

稲垣:

サステナビリティ推進部長に沖さんを推薦し、これまで私が務めてきたSDGs推進委員会委員長も引き継ぎました。当社は、2018年度にSDGs推進の準備プロジェクトを立ち上げましたが、沖さんにはその際に主力メンバーとして活動してもらった経緯があります。サステナビリティ関連の取り組みをよく理解していて、真面目で実行力があり、適任だと考えました。2023年に当社で初の女性役員になり、今後も牽引してもらいたいと期待しています。

代表取締役 副社長執行役員、サステナビリティ推進委員会 副委員長 稲垣 昌幸

沖:

これまで稲垣副社長が担ってこられたサステナビリティ推進のバトンを受け取ったことを真摯に受け止めています。今年は2024年ですから、SDGsの期限である2030年まであと6年弱です。たとえば、SDGs貢献製品の売上収益比率を上げていく活動は、2023年度には目標を前倒しで達成し60%を超えましたが、2030年度の目標である70%以上を目指すにはさらなる推進が必要です。サステナビリティ全般においても、近年は人的資本やサステナブル調達など、従来よりもハイレベルな課題が多数あります。ほかにもGX、DX、サーキュラーエコノミーなど、諸課題を正面から受け止めて、広い視野で施策を考えて実行していきます。

稲垣:

これまではサステナビリティの概念を周知するためにトップダウンで進めてきましたが、十分に理解されたため、次のステージに進めていくべきです。沖さんは、物腰が柔らかく誰もが意見を言いやすい人柄だと思います。技術者としての実績もありますし、私の模倣をするのではなく、世の中の変化を肌で感じている現場の意見を吸い上げて、推進していくことを期待しています。

代表取締役 副社長執行役員、サステナビリティ推進委員会 副委員長 稲垣 昌幸サステナビリティ推進体制図

2030年の先を見据えて、プラスチックの新たな価値を創造する

沖:

当社はリスクマネジメント委員会の下部にTCFDタスクチームをつくり、2040年の気候変動に関する機会とリスクを予測し、主要事業のシナリオ分析を実施しました。電動車を中心とした自動車関連製品、半導体関連製品、常温保存や鮮度保持機能を有する食品包装用高機能フィルムなどが「機会」になると見込んでいます。また、電力などのエネルギーや原材料価格の高騰やカーボンプライスの導入などを「リスク」と捉えています。

執行役員、経営戦略企画室長、サステナビリティ推進部長、SDGs推進委員会 委員長 沖 博美

稲垣:

当社グループでは、このような機会とリスクを踏まえて研究開発を強化しています。このまま何も手を打たなければ、2040年には40℃の気温は当たり前、風速70メートルの台風が来る可能性もあります。そんな世界を回避するために、技術開発や設備投資は必須です。使用する原料や製品の廃棄に関連して言えば、資源循環(3R+Renewable)の観点から、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル技術の確立、バイオマス原料の活用が不可欠と認識しています。また、新たな研究テーマは、すべてSDGsに貢献することが条件です。委員会やタスクチームなど、組織にいくつもの横串を張り巡らすことで、誰もが自分ごととしてサステナビリティ活動に取り組む土台にして、研究開発を進めています。

沖:

「環境ビジョン2050(ネットゼロ)」は、日本政府の排出削減目標に沿った2030年度の削減目標を2023年度に前倒して達成しました。そこで、パリ協定1.5℃基準に沿った、より高い削減目標に切り替えて、Scope1,2に加えScope3を含めたGHG排出量の削減に取り組んでいます。国際的な排出削減目標であるSBTi(Science Based Targets initiative)の認証取得に向けて進めています。また、近年ではサプライチェーンの川下における製品・サービス使用時の「削減貢献量」という概念も出てきました。自社はもとより、お客さまとその先のバリューチェーンを含めた削減を考えなくてはなりません。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、挑戦を続けていきます。当社グループで扱う製品の用途は幅広いため、①資源、②創エネルギー/省エネルギー、③長寿命、④3R、⑤環境対策といった5つの視点で、カーボンニュートラルへの取り組みを引き続き推進していきます。

稲垣:

プラスチックが生まれて100年あまり、その安全性、快適さ、便利さゆえに、私たちの身の回りにはプラスチックがあふれています。一方で、環境というキーワードから見れば、化石燃料を使うプラスチックはマイナスイメージが先行しがちです。だからこそ、当社グループは、プラスチックの機能を追求して、環境・社会に貢献する製品を世の中に送り出していかなければなりません。我々が目指しているのは、プラスチックが共生できるサステナブル社会の実現です。

執行役員、経営戦略企画室長、サステナビリティ推進部長、SDGs推進委員会 委員長 沖 博美 カーボンニュートラルへの取組み~技術・製品開発~

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