サステナビリティ推進のバトンをつなぐ
稲垣:
当社グループの経営理念は、サステナビリティの考え方そのものであり、従前より取り組みを行ってきました。サステナビリティ推進委員会は、当社の最上位に位置する委員会で、その下部にSDGsに関する施策の企画や実行を推進する「SDGs推進委員会」、カーボンニュートラルにかかわる技術検討や全製品のCFP(カーボンフットプリント)算出を進める「カーボンニュートラル推進委員会」のほか、「リスクマネジメント委員会」「コンプライアンス委員会」の4つの委員会を置き、それぞれの活動に指示/承認をします。私は当社グループがSDGsの取り組みを始めた2017年からサステナビリティ推進活動の指揮をとってきました。
沖:
2023年4月にはサステナビリティ推進の役割を担うサステナビリティ推進部が発足しました。その最も重要な役割は、長期的なサステナビリティ戦略の策定、提言、実行をすることです。部のメンバーが専門知識と経験を積み重ね、より効果的なサステナビリティ活動を行います。専門組織の存在は、社内の意識を高め、社内外との連携強化に役立ちます。従業員に対しては、教育プログラムやコミュニケーション活動を通して、サステナビリティの重要性や取り組みの価値も啓蒙しており、社内の意識変革が促進されています。1社で取り組むのではなく、同様な課題を抱えている企業と積極的にコミュニケーションを取り、課題解決を目指します。
稲垣:
サステナビリティ推進部長に沖さんを推薦し、これまで私が務めてきたSDGs推進委員会委員長も引き継ぎました。当社は、2018年度にSDGs推進の準備プロジェクトを立ち上げましたが、沖さんにはその際に主力メンバーとして活動してもらった経緯があります。サステナビリティ関連の取り組みをよく理解していて、真面目で実行力があり、適任だと考えました。2023年に当社で初の女性役員になり、今後も牽引してもらいたいと期待しています。
沖:
これまで稲垣副社長が担ってこられたサステナビリティ推進のバトンを受け取ったことを真摯に受け止めています。今年は2024年ですから、SDGsの期限である2030年まであと6年弱です。たとえば、SDGs貢献製品の売上収益比率を上げていく活動は、2023年度には目標を前倒しで達成し60%を超えましたが、2030年度の目標である70%以上を目指すにはさらなる推進が必要です。サステナビリティ全般においても、近年は人的資本やサステナブル調達など、従来よりもハイレベルな課題が多数あります。ほかにもGX、DX、サーキュラーエコノミーなど、諸課題を正面から受け止めて、広い視野で施策を考えて実行していきます。
稲垣:
これまではサステナビリティの概念を周知するためにトップダウンで進めてきましたが、十分に理解されたため、次のステージに進めていくべきです。沖さんは、物腰が柔らかく誰もが意見を言いやすい人柄だと思います。技術者としての実績もありますし、私の模倣をするのではなく、世の中の変化を肌で感じている現場の意見を吸い上げて、推進していくことを期待しています。