2023年4月20日
住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、2024年度の製品販売と実⽤化を目指し、当社が保有している光導波路の技術を活かした、耐振・防塵性を備えたマルチモード光分岐コネクタの開発に着手しましたのでお知らせいたします。また、車載用ワイヤハーネス分野で世界トップレベルのシェアを誇る住友電気工業株式会社と共同開発を行い、光ハーネス用コネクタの製品化を目指しています。
開発背景
近年、IoTやビッグデータの急速な発展に伴い、大容量のデータを高速で送る光通信網の高度化が進んでいます。また通信インフラのみならず、自動運転車、産業用ロボット、FA機器、医療機器、放送機器などにおいて、情報処理端末側の情報量の増加と共に、端末の小型・軽量化、低消費電力化も求められており、これらを解決する手段の一つとして、機器内における光伝送も検討されています。
しかしながら、機器内で複数地点へ光伝送を行う用途では、①信号の光電変換モジュールが必要なためコストアップにつながる、②ガラス光ファイバの取り扱いが難しいことから、実用化が困難となっています。 |
図1:多芯光分岐光コネクタ(4合波・4分配の例) |
開発品の特長
本開発品は、当社が2002年から開発を進めてきたポリマー光導波路*1(図2)の技術を活かし、お客様の要望に合わせて、光回路フィルム内で複数の光信号を過剰損失*2なく合波、分配することが出来ます。また光ファイバとの着脱機能を有しており、データセンタなどで普及するMTコネクタ*3付のマルチモード型光ファイバと接続してご使用いただけます。さらに、耐振、防塵、耐熱性を備えており、屋外環境の使用も想定しています。
図2:住友ベークライト製ポリマー光導波路
- *1 住友ベークライト製ポリマー光導波路 https://www.sumibe.co.jp/product/coin/
- *2 過剰損失:2分岐毎に発生する原理損失(半減値:3 dB)を含まない損失を指す https://www.sumibe.co.jp/product/coin/coin_001/index.html
- *3 MT(Mechanically Transferable)コネクタは多心光ファイバを高精度、高密度に一括接続する光コネクタです。
今後の計画
産業用ロボット、FA機器、医療機器、放送機器など幅広い分野での採用に向けて、サンプルワークを開始し、2024年度中の光コネクタ販売開始を予定しています。また、車載用途では光通信の標準化が進む車載用光ハーネスの開発に取り組む住友電気工業と共同開発を実施しており、2026年度の実用化(図3)を目指しています。 |
図3:2026年度実用化を目指す車載用光ハーネスシステムの |
住友電気工業株式会社 本件に関する住友電気工業株式会社のリリース |
関連情報
本件に関するお問い合わせ
住友ベークライト株式会社 光電気複合インターポーザ事業開発推進部
TEL: 028-667-6440