製品紹介
リパーゼ (lipase) は、脂質のエステル結合を脂肪酸とグリセロールに加水分解する酵素です。動物では食物から摂取された脂質の消化に、膵臓から分泌されたリパーゼが腸管内で重要な働きをしています。
リパーゼキットS[研究用]は、膵リパーゼと反応性の高い基質であるS-アシル化合物(BALB)を用い、これにSH基測定用試薬(DTNB)を組み合わせた酵素測定法の原理に基づくリパーゼ活性測定用キットです。
【キット構成】(100回用)
基質液 (BALB、SDS) | 1瓶(22mL) |
---|---|
エステラーゼ阻害液 (PMSF) | 1瓶(4.4mL) |
発色剤 (DTNB) | 1瓶(240mg) |
緩衝液 | 1瓶(25mL) |
反応停止原液 | 1瓶(25mL) |
特長
1. 合成基質による比色法
合成基質BALBと、SH基測定用試薬DTNBの組み合わせで、比色法により測定します。
2. 操作が簡便
抽出、滴定などの操作を必要としません。
3. 特異性が高く、高感度
エステラーゼ阻害剤により、リパーゼ活性のみを特異的に測定できます。10 IU/Lの低いリパーゼ活性も測定できます。
用途
研究用試薬
リパーゼ活性測定用試薬
BALB基質を用いたリパーゼ活性の測定
使用方法
操作法
検体用(A) | 盲検用(B) | |
---|---|---|
発色液 | 1mL | 1mL |
検体 | 50μL | 50μL |
エステラーゼ阻害液 | 20μL | 20μL |
インキュベーション 30±1℃、5分間 | ||
基質液 | 100μL | - |
インキュベーション 30±1℃、30分間(遮光) | ||
反応停止液 | 2mL | 2mL |
基質液 | - | 100μL |
測定 | 412nmにおける吸光度を測定する |
リパーゼ活性値の計算
検体50μLを使用し、上記操作で検体(A)と盲検(B)の吸光度差が0.001を示した場合を、1BALB単位と定義します。BALB単位に0.147を乗ずることにより、国際単位IU/L(遊離SH基μmol/分/L血清、30℃)に換算することができます。
仕様
品番 | 品名 | 包装単位 | 貯法 | 参考価格(円) |
---|---|---|---|---|
BS-92101 | リパーゼキットS [研究用] | 100テスト/キット | 2~8℃ | 35,000 |
※注記 参考価格(本体価格・税抜)
測定原理
測定原理(原理図)
性能
1. 特異性試験
膵リパーゼ特異的
2. 再現性試験
吸光度の変動係数:5%以下
3. 測定範囲(例示)
50BALB単位~1,000BALB単位
貯蔵方法・有効期間
貯蔵方法
遮光、冷所(2~8℃)
有効期間
遮光、冷所(2~8℃)・3年
主要文献
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- 5. 黒岡繁,ほか:医学のあゆみ,104:39,1978
- 6. 森下玲児,ほか:内科宝函,24:393,1977
- 7. 岩崎良文,ほか:医学のあゆみ,117:124,1981
- 8. 森下玲児,ほか:日消誌,75:686,1978
- 9. Furukawa,I.,etal.:Clin.Chem.,28:110,1982
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