製品紹介
骨の代謝(骨吸収)に直接関係し、骨吸収の亢進(破骨細胞の活性化)に伴い細胞からの分泌が増加し血中に漏出します。ヒトでは骨(破骨細胞)のみに由来する酵素であり、また血中において数日で分解されるため、骨吸収の状態を正確に、かつリアルタイムに反映するとされています。
TRACP-5bとは?
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酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)は、骨の代謝(骨吸収)に直接関係し、骨吸収の亢進(破骨細胞の活性化)に伴い細胞からの分泌が増加し血中に漏出します。ヒトでは骨(破骨細胞)のみに由来する酵素であり、また血中において数日で分解されるため、TRACP-5bの測定は、骨吸収の状態を正確に、かつリアルタイムに反映するとされています。 |
用途
体外診断用医薬品
骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼキット
EIA法による血清又はヘパリン血漿中の酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)の測定
仕様
統一商品コード | 品名 | 包装単位 | 貯法 |
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713200018 | オステオリンクス®「TRAP-5b」 | 96テスト/キット | 2~10℃ |
測定原理
オステオリンクス®「TRAP-5b」は、TRAP-5bに高い特異性を有する抗体を使用しており、マクロファージなどに由来するTRAP-5aなどの影響を受けにくく、TRAP-5bをより正確に測定することができる。また、検体中に大量に存在するTRAP-5bフラグメント(分解産物)に対する抗体を用い、不活性なフラグメントを吸収させることで、広い測定範囲を確保している。
保険収載内容
D008 内分泌学的検査「27」酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b):156点
酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)は、代謝性骨疾患及び骨転移 (代謝性骨疾患や骨折の併発がない肺癌、乳癌、前立腺癌に限る)の診断補助として実施した場合に1回、 その後6月以内の治療経過観察時の補助的指標として実施した場合に1回に限り算定できる。また治療方針を変更した際には 変更後6月以内に1回に限り算定できる。
本検査とⅠ型コラーゲン架橋N―テロペプチド(NTX)、オステオカルシン(OC)又はの デオキシピリジノリン(DPD)(尿)を併せて実施した場合は、いずれか一つのみ算定する。
なお、乳癌、肺癌又は前立腺癌であると既に確定診断された患者について骨転移の診断のために当該検査を行い、 当該検査に基づいて計画的な治療管理を行った場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する。
(2022年4月1日改定)
診療報酬明細書の記載要領
酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)を算定した場合は、診断補助の実施日、6月以内の治療経過観察時の補助的指標の 実施日又は治療方針の変更日を「摘要」欄に記載すること。
よくあるご質問
Q1. TRACP-5bとは何ですか?
A1. |
骨粗鬆症の検査では、骨の新陳代謝によって血液中や尿中に出てくる物質「骨代謝マーカー」を測定します。 このうち、骨が壊されていることを反映する「骨吸収マーカー」のひとつが酒石酸抵抗性酸抵抗性酸 ホスファターゼ5b(TRACP-5b)です。TRACP-5bは血中に存在する酸性ホスファターゼの一種で、 破骨細胞の活性化に伴い細胞からの分泌が増加する酵素であるため、骨吸収状態を正確かつリアルタイムに 反映すると言われています。 |
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Q2. 骨粗鬆症でTRACP-5b値は高くなりますか?
A2. |
骨粗鬆症は、新しく作られる骨の量よりも壊される骨の量の方が多くなり、その結果骨の量が減少して骨折を しやすくなる病気です。TRACP-5bは骨吸収状態を反映するので、骨が壊されている状態が活発であれば上昇します。 |
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Q3. TRACP-5bの基準値はどのくらいですか?
A3. |
女性* 120~420 mU/dL 男性 170~590 mU/dLです。 |
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Q4. TRACP-5bを測定できる回数とそのタイミングは?
A4. |
基本的には骨粗鬆症の確定診断後、薬剤選択時と薬剤効果判定時の2回になります。1回目と2回目の測定は6ヵ月 以内に実施してください。その後、治療方針の変更が行われた場合、治療方針の変更日から6ヵ月以内にもう 一度測定できます。 |
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Q5. 1回目の測定の目的は?
A5. |
1回目の測定は、治療薬剤選択の指標として用います。基準値上限以上の高値を呈する患者に対しては、 骨吸収抑制作用を有する薬剤の選択が推奨されます。ただし、薬剤選択については骨密度値及び既存骨折の有無 とともに、患者背景、症状・合併症の有無、薬物の禁忌、過去の治療歴などを総合して判断してください。 |
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Q6. 2回目の測定の目的は?
A6. |
2回目の測定は、薬剤の効果判定を目的として行ないます。 |
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Q7. 2回目の測定はどのくらいの間隔をあけて測定しますか?
A7. |
1回目の測定から3~6ヶ月の間隔をあけることを推奨しています。 |
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Q8. 3回目の測定はどのような場合に可能ですか?
A8. |
治療方針の変更を行なった場合は、治療方針の変更日から6ヵ月以内に1回に限り算定できます。 なお、TRACP-5bを算定した場合は、治療方針の変更日を「摘要」欄に記載してください。 |
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Q9. TRACP-5bはどのような薬剤の効果判定に有効ですか?
A9. |
骨吸収抑制作用を有する薬剤の効果判定に有効です。骨吸収抑制作用を有する薬剤としては、 ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、女性ホルモン、デノスマブ などがあります。 |
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Q10. TRACP-5bの測定には骨塩量、X線による骨粗鬆症の確定診断が必要ですか?
A10. |
必要です。骨粗鬆症と確定診断してから測定してください。 |
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Q11. 採血時間はいつがよいですか?
A11. |
TRACP-5bは日内変動の小さいマーカーです。よって、採血時間を選びません。 |
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Q12. 腎機能が低下している患者さんに対して測定しても大丈夫ですか?
A12. |
TRACP-5bは骨吸収マーカーの中で唯一、腎機能の影響を受けないマーカーと言われています。よって、 腎機能が低下している患者さんでも正しく評価していただけます。 |
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Q13. 採血は何mL必要ですか?
A13. |
血清として約1mLです。 |
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Q14. 検体の保存法は?
A14. |
室温:8時間、冷所:2日間、-20℃以下:1ヵ月間が保存の目安ですが、血清分離後はできる限り速やか に凍結してください。
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Q15. 食事の影響を受けますか?
A15. |
TRACP-5bは食事の有無で影響を受けません。 |
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Q16. 骨量測定、X線測定と同時にTRACP-5bを測定しても保険請求が可能ですか?
A16. |
同時に検査しても保険請求が認められています。 |
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添付文書
関連資料
- SDS(準備中)
- 患者用小冊子(準備中)
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