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今月ご紹介するのは、JA香川県の「さぬきの青ねぎ」です。 同JAでは、青ネギの生産に適した土壌を生かして植物がもっている美味しさを引き出すこと注力し、味も香りも良い青ネギを栽培しています。気象条件や温度変化の影響を受けずに、安心して使える包装材としてP-プラスを採用していただいています。 |
青ねぎが青ねぎらしい形で育つ場所
県土面積が、国土面積の0.5%と全国でもっとも狭いながら、島あり瀬戸内海沿岸地域あり、平野あり、中山間地域ありと、多様な地域性を有する香川県。「日本の地中海」ともいわれるおだやかな瀬戸内の気候は、青果物の生育にとって最良の環境であり、それがゆえに耕作面積が少なくても、それを逆手に取った高品質で個性的な高付加価値の農産物を生産することで知られています。もちろん、それが可能なのも、生産者一人ひとりの、ものづくりに対する丁寧な姿勢があってこそ。生産者にとって最適な環境を整える、その下支えをしているのがJA香川県です。こちらのJA香川県は、2000年、県下43のJAが合併して誕生しました。高松市の本店を核に7つの営農センターと統括店が、地域に密着した営農振興と高度なサービスの提供を実践しています。
恵まれた気候と立地条件が揃っているため、収益性の高い作物を中心にレタスやブロッコリー、オリーブ、金時ニンジン、マーガレットなど、特色ある農産物を栽培。県内はもちろん、京阪神地域を中心に、新鮮で良質な農産物を供給しています。今回ご紹介する「さぬきの青ねぎ」は、県下全域で栽培され、作付けも年々増加。県内野菜の主要品目になっています。
「ユリ科に属するネギの健全な生育には、リン酸が必要ですが、リン酸肥料は水に溶けにくく土壌に吸着されやすいため、リン酸は土の中を移動しにくく、根に届くまでに時間がかかるので効果がなかなか現れにくい。ところが、この豊南地区の土は、リン酸を吸収する係数が低い。まさにネギの育成に最適な場所といえます」というのは、JA香川県豊南地区青ねぎ部会支援部の部長である浦さん。「このネギが生育しやすい環境が、果たして人間が感じる“美味しさ”に直結しているとは化学的に実証はできませんが、私が考える“美味しさ”とは基本的に、植物が植物らしい形で育つ過程で備わるもの。要するに、ネギが育ちやすい、この豊南地区で育ったネギは、植物が本来持っている“美味しさ”を備えているといえるのではないでしょうか」と説明します。
浦さんが部長を務められる『青ねぎ部会支援部』が支援する生産者は20軒ほど。「ここ数年は若い人が増えています。私たちが支援をすることで少しでも手間を省き、生産品目を広げたり、耕地の拡大もサポートしているので、そういった取り組みもあって若い人が増えているのではないかと思っています」というのは、JA香川県豊南地区営農センター園芸課の横内さん。浦さんも、「実は私は、東京都出身でIターン就農をしているのですが、この地は農業法人も多く、全国の中でも先端農業地なのではないかと思います。今では一般的になりましたが、当時私が就農した10年ほど前には、かなり画期的な取り組みでした。私みたいな素人が就農しても受け入れて、指導してくれる。すぐにこうして農業に注力できる環境が整っていたので、若い人の就農率が高まったのではないでしょうか。だから、耕作放棄の問題も他の地域に比べて少ない。全国的には結構珍しく、農業の未来が明るい地域だと思います」と述べます。
P-プラスの安心感が市場へのPRに
香川名物さぬきうどんの薬味に欠かせないさぬきの青ねぎは、葉ねぎの中ねぎに分類されます。
県内全域で周年栽培する農家が多く「さぬきの青ねぎ」という県下統一ブランド名で出荷されています。さぬきの青ねぎは、白い部分より青い葉の部分が多いので肉丼、すき焼きにも適していて、香りも味も楽しめます。高齢者、女性を中心に周年栽培できる軽量品目として導入され、作付は年々増加しています。近年は規模拡大も進み、大型専作農家も出現し、周年出荷体制にシフトしており、県内野菜の主要品目になっています。
そんな豊南地区青ねぎ部会が、P-プラスを導入することになったのは、2014年のこと。以前は、一般OPPロール品を使用し、ピロー包装機で針孔を開けて出荷していましたが、袋内に酸素が入り過ぎることによって、葉先の萎凋が発生していたのだといいます。
「7月の長雨の時期に、大量のねぎがすべて変色してしまったことがありました。出荷量の調整をするために、収穫後に袋詰めしてJAの冷蔵庫で保存していたのですが、その間に、まるでワラのような状態になってしまったのです。そのときに、この現象が袋内の酸素が多すぎて起こっているということ、だからかといって密封した袋に入れているとネギが呼吸できず、窒息してしまい黄化や腐敗が進むということを知りました」(浦さん)
そこで、包装資材メーカーや市場関係者から情報を収集したところ、「P-プラスを使ってみたらどうか?」というアドバイスを受けたのだとか。大野原集荷場にてすぐにテストをしたところ、問題になっていた萎凋や黄化の改善がみられた事から、すぐに切り替えることになったのだといいます。
P-プラス導入後、スーパーや市場関係者から嬉しい声が届くようになったといいます。「基本的には見た目は変わらないので、消費者の方に感じとってもらえたかどうかは微妙ですが、スーパーのご担当者からは、やはり棚持ちが良くなったと、在庫性を考えると、かなりメリットを感じていただいているようですね。また市場に営業に行くと、皆さんP-プラスのことをご存じなので、『P-プラスに入れると3日は長持ちする』『安心できる』といった、現実的な話を耳にしますし、期待の高さも感じます」(浦さん)
JA香川県豊南地区営農センター園芸課課長補佐兼大野原集荷場所長である堀口さんも、「P-プラスに入れることによって、市場のニーズに確実に応えることができました。ただ、単純に在庫性を高めるだけでなく、さらに商品としての回転率を上げていくことで、出荷量をあげていく必要はあると思っています。とはいえ、生産物自体の評判はいいので、P-プラスに入れることで、市場に対する宣伝効果はあったと感じています」と述べます。
横内さんも「以前は変色に対するクレームがあったのは確か。それが、ここ数年は一切なくなったので、P-プラスのおかげで、非常に安心して販売できる商材になったかと思っています。また、どうしても生産量にムラが出るので、保険的に在庫を持つ必要があって、P-プラスに保存して、品質を保ちながら、ある程度在庫を持てるので、安定的な出荷をするうえでは非常に役立つのではないかとは思っています」と話します。
JA香川県豊南地区青ねぎ部会支援部の副部長でいらっしゃる小野さんも「以前は、私たち生産者が作ったねぎの品質が悪いとクレームが寄せられることもありました。出荷の段階で素晴らしい品質の青果でも輸送中に温度が上がったり、市場から店頭までの時間で受ける温度差など影響からくる劣化という問題が必ずついて回るのですがP-プラスを導入してから、悪い話はほとんど聞かれなくなりました。その効果を実感しています」と述べてくださいました。
関東圏で青ネギ文化を醸成する
現在は、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、食事を自炊でまかなう家庭が増え、生鮮食品のスーパーでの需要も増えているといいます。「スーパーもバックエンドの作業を行う人員が割けなくなり、生産物を裸のままでなく、ちゃんと袋詰めした状態で送ってほしいという需要はますます高まってきています。当たり前ですが、包材のコストが増加するので、そういった需要から派生する費用は生産者だけでなく、流通、スーパー、などの受益者で共に負担しあえるようになるといいですね。もちろん、包材メーカーにも協力してもらって、共存・共栄できるというのが望ましいです。結局、地域だけの負担が増えると野菜のクオリティが下がってしまい、悪循環に陥っていくので、農業を取り巻く一連のビジネススタイルを共に見直せるような、そんなメーカーさんとお付き合いしたいですね」(浦さん)
今後は、関東圏に進出。青ネギ文化を醸成していきたいというJA香川県の皆さん。その実現のためには、P-プラスの鮮度保持力が必要不可欠だといってくださいます。
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住友ベークライトの営業担当・大石も消費者や市場関係者はもちろん、生産者が喜ぶ包装材とはどういうものか、単純に長持ちをさせるだけが価値なのか、時代が求める新しい価値を探求しつづけたい話します。そして今後も、P-プラスは常に生産者に寄り添いながら、共に理想の農業のあるべき姿を追求する方の支援をしていきたいと語ります。 |
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