7月のP-プラス青果物 JA中野市【きのこ】 | 住友ベークライト株式会社

JA中野市【きのこ】

今月ご紹介するのは、JA中野市の「きのこ」です。同JA管轄地域では「きのこ産業」が盛んで60年以上に及ぶきのこ栽培の歴史を有し、現在も飛躍的な発展を遂げ、日本一の「えのき茸」の生産量を誇っています。JA中野市には『きのこ課』というきのこ産業に特化した部署があるように日本一の産地としての誇りと責任を胸に日々取り組まれています。同JAでは、鮮度が良い、おいしいきのこをより多くのお客様に提供することが使命であり、それが生産者の利益をも守るという思いでP-プラスから派生したきのこ専用の鮮度保持フィルム『ネオフレッシュ』を採用していただいています。


“生産量No.1”だからこその矜持と責任

2005年4月、中野市と豊田村が合併して誕生した“新”中野市。長野県の北東部に位置し、斑尾山、高社山などの山々を背にした場所に、千曲川、夜間瀬川などが形成した河岸段丘や扇状地が広がります。四季の変化に富んだ内陸性気候により、地域によって多少の違いはありますが、概ね昼夜の気温差生かした、リンゴやブドウなど果樹の栽培、シャクヤクなどの花卉の栽培が盛んな地として知られています。またJA中野市を中心に、付加価値を高めた施設型農業を積極的に展開し、生産性の向上に努めてきた「きのこ産業」がとりわけ盛んです。その中でも「えのき茸」は日本一の生産量を誇っています。

「JA中野市の管内は元々、果樹栽培が中心だったので、どうしても冬になると生産者の仕事がなくなり、家長が出稼ぎにでてしまう。冬期でも家族全員で離れることなく仕事ができないものかと考えた結果、生育温度が約4℃という、低い温度環境で栽培されるえのき茸にたどり着いたようです。えのき茸は別名『ユキノシタ』と呼ばれるように雪の中でも育つくらい寒さに強いきのことして知られています」と説明するのは、JA中野市きのこ課の小林宏嗣さん。そこから徐々にえのき茸を栽培する農家が増え、小さなグループが形成されていったのだとか。「やがて、それが今で言う『培養センター』に発展。効率よく栽培できるグループが拡大し、現在の生産体制ができあがり、年間5万トン、全国流通量の4割ほどのシェアを持つようになりました」

えのき茸の栽培を開始して70年。試行錯誤を繰り返しながら技術の研鑽を積んできたのだとか。最適な種と栽培方法を見つけてきたことで、JA中野市の今があるといいます。

「最大の特徴は、調理したときのシャキシャキ感です。見た目でいうと丈が揃い、カサが適正な大きさに育っている点が他の産地との差別化ポイントとなります。栽培方法はもちろん、種と培地、色々な工夫が積み重なった結果と言えます」生産量が日本一だからこそ、“JAがリーダーシップをとっていかなければならない”という思いがあるという小林さん。「より多くの消費者に食べていただいて、“美味しい”と思っていただけるきのこをつくって出荷していくためにも、生産者を大事にしていかなければならない。そんな使命感を持って仕事に取り組んでいます」


きのこ用鮮度保持フィルム「ネオフレッシュ」への期待

JA中野市がきのこ専用の鮮度保持フィルム「ネオフレッシュ」を採用するに至ったのは、鮮度に対するこだわりに起因します。

「ここ中野市から出荷して、消費地でお客様が料理に使うまでの日数をカウントすると、最短でも4日~5日はかかってしまいます。きのこの鮮度を保ちながら、お客様のお手元に届けられないかと考えたときに、もちろん直接荷物を届けられれば一番良いのですが、現実的には中々それはできませんし、直売所で販売しても1日短くなるかどうかに過ぎません」

収穫4日後になると、袋を開けた時に、きのこ特有の匂いが発生。見た目も変わってしまうといいます。「えのき茸の場合は、石突きの部分の匂いがきのこ全体に広がって染みついてしまう。やはり購入したお客様に喜んでいただかないと次がないので、どうにか鮮度保持ができる方法はないかと模索をしていました」

そんな時に、えのき茸でなく、先にぶなしめじの包装にネオフレッシュの採用が決まったのだとか。「きのこの劣化が早い、もっと棚持ちをよくできないかという要望が流通業者の方から寄せられていました。当初はP-プラスの採用を検討。その中で、きのこ専用で効果・効能が変わらず、大量ロットで使用できる製品があるということで、ネオフレッシュに興味を持つようになりました。やはり、できるだけ資材や流通経費といったコストは抑えて、お手頃な価格で提供したい。そこには、より多くの消費者にたくさん食べていただき、長くご愛顧いただきたいという思いがありました」

東京・大田市場に近接する評価CSセンターと生産地で試験を行い、しっかり検討を重ねたうえで、鮮度保持に一定の効果が見られたネオフレッシュを採用することに。「当時、私は、試験に立ち会ってはいませんでしたが、きのこ特有の匂いが明らかに軽減でき、その試験結果に満足したと当時の担当者からは聞いています。また、ぶなしめじの袋は外気温に触れたり、お店の照明で結露が発生するのですが、それが目立たなくなったという点にもメリットを感じたと。このようにまずは、ぶなしめじで採用され、お取引先からも棚持ちがよくなったというご意見をいただいたようです」

さらに、ネオフレッシュをえのき茸にも採用しようと考えたのは、他の産地にえのき茸と差別化を図ることが、セールストークにも繋がるだろうとの判断があったとも言います。「お客様が、どうして中野市のえのき茸を選ぶのか、その判断材料を一つでも多く用意したいと考えました。“JA中野市は資材にも力をいれて届ける”という鮮度へのこだわりのストーリーが伝えやすくなるというメリットは大きいですね。それによって、“えのき茸No.1”のブランドを強化できましたし、他の産地より選ばれやすいアイテムをゲットしたと思います」

きのこ拡販の目的を共有する事業パートナーとして

また、JA中野市と住友ベークライトとの間で、新たな取り組みもスタート。住友ベークライトが、事業で培ったお客様のネットワークや営業担当の人脈やノウハウを提供し、商談の場にも同行。そういった活動で、JA中野市と大手流通グループ本部との取引がスタートすることになりました。

「従来の一般的な資材メーカーさんですと、正直言って、発注した物品をロスなく、漏れなく納品していただくだけという関係が一般的です。ところが住友ベークライトとは事業パートナーとして一緒に、“どうやったらJA中野市のきのこが売れるのか?”を考え、共に拡販に取り組むような関係に発展しています。資材メーカーさんが、そこまでやってくださるとは思いもしませんでした」

今は、住友ベークライトがお取引のある食品会社との異業種コラボレーションの計画も進行中。「アイデアが浮かんだら気軽に相談でできる、そんな信頼関係が構築されているのが、とてもありがたいですね。住友ベークライトとは、この先も末永く、双方の事業に寄与しあえるような関係になっていければと思っています。新しいビジネスや供給先を開拓していくという意味では、とても頼りがいのある心強いパートナーです」と語ります。

住友ベークライトの営業担当・宮越も「これまでの、資材を売ればいいというメーカーの考えから脱却して一緒に農産物が売れるように考えていくという、一歩踏み込んだお取り組みができるのはお互いの信頼関係があってこそ。私たちに不足していた“お客様と一緒にモノを売っていく”という部分を、JA中野市様との付き合いによって改めて実感し、そういう視点で考え・実行できるようになりました。こういった取り組み方を多くのお客さまと共有できればと、当社が主催するプライベートセミナーでも講演をお願いし登壇していただきました。JA中野市様と事業パートナーとして一緒に考え・行動するというこの経験は、産地さんとのつながり、お取り組みの成功事例として拡げていければと思いますし、さらにJA中野市様とのつながりも強固なものにしていきたいと思っています」とさらなる抱負を語ります。

お客様の情報

  1. 中野市農業協同組合(JA中野市)
  1. 〒383-8588 長野県中野市三好町1丁目2番8号
    TEL: 0269-22-4191
    HP: https://www.ja-nakanoshi.iijan.or.jp/
    なかのきのこ新聞: https://nakano-kinoko.com/
  1. 自然豊かな長野県北部に位置する中野市は、農産物の栽培に適した地で古くから農業が盛んに行われ、りんごやぶどう、桃などのフルーツの一大生産として有名です。特に、中野市が誇る食材のひとつが「きのこ」中でも、「えのきたけ」の生産量は、全国1位・シェア40%を誇ります。HPではきのこの美味しいレシピや豊富な栄養を効果的に取り入れる豆知識などの、もっときのこが食べたくる情報も公開しています。おいしくて栄養満点なJA中野市のきのこを是非お試しください。