1月のP-プラス青果物 徳田青果【バナナ】 | 住友ベークライト株式会社

徳田青果【バナナ】

ご紹介

今月ご紹介するのは、徳田青果有限会社のバナナです。愛媛県宇和島市を拠点にバナナを中心とした青果の卸売りを手掛ける同社。現在は中国・四国地方を中心に青果物を納品。バナナの取り扱いは60年以上の実績があるといいます。そんなバナナのプロが10年ほど前、お客様の声から「再び、高級なバナナの時代が来る」と予測。長年培ってきた同社のノウハウを結集し開発したのが、袋から出したらすぐ美味しい「熟サンテーラキングバナナ」です。お客様の声から誕生した本当に美味しいこだわりバナナの魅力をしっかりと伝えていくためにP-プラスを採用していただいています。


大手にはできない“ひと手間”加えた追熟加工

徳田青果有限会社が位置する宇和島市は、愛媛県の南西部、江戸時代より仙台藩伊達家の分家として、宇和島藩、伊達十万石の城下町として栄えてきました。いまでも市内には伊達家の歴史の遺産がいたるところに息づいています。明治時代から始まったミカンの栽培が有名で、恵まれた自然環境を生かしてミカン王国愛媛の中でも有数の産地と知られる存在です。また宇和海は深い入り江が穏やかな海を保ち、真珠や魚の養殖が盛んで、特産品の真珠や鯛めしの鯛を育んでいます。

さて、徳田青果有限会社は、創業の1950年からこの愛媛県宇和島の地で一家3代に亘って、国内外の野菜・果物の卸しを営んできました。扱い品目の大半を占めているのがバナナだといいます。「当社は、中国・四国地方を中心に、スーパーや百貨店、市場や飲食店に青果物を納入しています。さらに学校給食の食材としてもご利用いただいております」というのは、代表取締役社長である徳田源吾さん。現在、徳田青果では、エクアドルの指定園地限定で栽培されたバナナを輸入。青いバナナを自社の室(むろ)に入れて、“追熟”と呼ばれる追加工を行ってから出荷をしているのだそうです。

バナナは青く、未熟な状態で輸入されていることはご存じの方も多いと思います。それは、黄色く熟成したバナナには農作物に被害を及ぼす恐れのある害虫が寄生している可能性があり、植物検疫法で禁止されているからなのです。国内に陸揚げされるバナナはまだ青い状態で、業者で行う追熟の加工を経て店頭へ並びます。

このバナナの追熟加工ですが、自然に黄色くなるのを待つのでなく、バナナの糖度や香りに大きな影響を及ぼし、それが商品としての価値や品質としての評価にもつながる極めて重要な作業なのです。以前はこの技術は追熟業者のカンと経験によって行われることが多く均一に熟成させたり、安定した供給をすることは大変難しかったのだといいます。近年は科学的なバナナの生理作用の研究や貯蔵施設の整備などの工学的な技術の向上もあって大幅にバナナの追熟加工の技術は進歩。それにより安定した流通も可能となりました。とはいうもののそれだけでは、本当に美味しいバナナにはたどりつけないと徳田社長は語ります。「バナナの熟成加工において最も重要なのは、室の内部の温度とバナナの自体の温度差をいかになくすかということです。当社は、この両者の温度差を最小限に食い止める“差圧加工システム”を導入し、これによってバナナは均一に黄色く色付き、さらに甘みが増していきます」

こういった技術の向上の他に、“追熟”には、バナナを扱う業者それぞれにノウハウがあります。徳田青果は、60年以上も前からバナナの輸入販売を生業としてきたパイオニアのひとつ。大きな商社や工場では対応のできない、“ひと手間”を加えることで、バナナのおいしさを最大限引き出しているといいます。

「今から10年ほど前から、それまで低価格で店頭に並んでいたバナナの消費者ニーズに新たな変化が生まれていました。それは、“付加価値の高い、本当においしいバナナを食べたい”という声でした」

かつて日本ではバナナは“高級品”というイメージがありました。今でこそ、コンビニでは1本単位で売られていたり、スイーツの材料にしたりする気軽な果物として普及していますが、1960年代にバナナの輸入が自由化する以前は八百屋の奥の棚にある贈答用の果物、病気の時だけ食べさせてもらえるような貴重な食品という括りの特別な果物という存在だったのといいます。ところが輸入自由化後、多くの企業が参入し、それまで主流であった台湾からの輸入に加えてフィリピンなどからも大量輸入が可能となり低価格化が進行、いつの間にか安くて・美味しくて・栄養価の高い人気の果物として普及しました。家庭における果物の年間消費量が年々落ちている現在でも、バナナの消費量は増えている状況が続きます。

しかし、徳田青果では10年ほど前から顧客の声を聞くうちに、“再び高級バナナの時代が来る”と予測。安さ・手軽さといったそれまで人気を得てきたニーズに応える商品とは別に「袋を開けた瞬間に美味しさを実感できるバナナ」を供給したいと考えたのだといいます。

「それまでは、バナナはスーパーなどで購入して数日が経過しないと食べごろを迎えませんでした。他の会社も同じような高級バナナ販売にシフトしていく中、他社との差別化を図る必要もあると感じていました」


P-プラスの中でもゆっくり追熟させるという手法

バナナに関する情報を収集する中で徳田社長の中でひとつのアイデアが沸き上がります。「簡単に言えば、袋をやぶった瞬間に一番おいしい状態となるバナナを販売しようと考えました。すなわち、袋に入れる前に特殊加工を施し、バナナ特有の渋みと青臭さを取り除いて封入。鮮度を保持しつつも袋の中で適度に追熟をさせるという手法です」

ところが、追熟加工はもちろん、バナナの状態の見極めるのは非常に難しい。そのうえ作業に手間も時間もかかるし、何よりもイメージ通りに鮮度保持ができる袋があるのだろうか?といういくつもの壁があったといいます。

「私たちのような規模の会社が生き残るためには、そういった特徴や強みが必要であろうと考えました」

情報収集を続ける中で、以前から取引のあった青森の弘果弘前中央青果からP-プラスの紹介を受けたといいます。P-プラスは弘果弘前中央青果が以前から採用していたので、その効果には新たな試験をしなくても蓄積してきた実績があり、これなら間違いないであろうと即採用。そこから生まれたのが『熟サンテーラキングバナナ』です。

「実際にP-プラスを採用して出荷してみると、本来は茶色い斑点、すなわちシュガースポットが現れたことは栄養価が増したサインなのですが、見た目という観点では成熟が進みすぎた印象を与えてしまいます。そういった現象も抑制でき、棚持ちはよくなるし、目論見通り、袋をあけた時点がもっともおいしい状態となりました」

甘さ、コク、香りが抜群な『熟サンテーラキングバナナ』

徳田青果が販売を開始した『熟サンテーラキングバナナ』は瞬く間に評判を集めることに。「お客様からは甘さ、コク、香りが抜群。まろやかな味わいで食べやすく、とても美味しいとの声をいただくようになりました。現在は1本売用と4本売用、2種のP-プラスを活用して出荷。幅広い年代の方から支持され、9割が女性客で占められています」

長年に亘ってバナナの加工・卸業を行いながら、市場のニーズと未来のニーズも予測しあえて「高級品」にチャレンジ、今ではしっかり定着した感のある高級バナナブームをけん引してきた徳田青果、これからも消費者ニーズを刺激しながら拡販をしていきたいといいます。

「味と安全性には絶対的な自信があるのですが、どうしても手間暇がかかってしまう分、高単価となってしまいます。だからこそ、その美味しさや魅力を、P-プラスの鮮度保持力という付加価値と共にしっかり伝えていければと思っています」

P-プラスも青果の鮮度の保持だけでなく、こだわりの青果に携わる人々の「こだわり」や「付加価値」といったものも保持して、消費者に伝える一助となれるなら、こんなにうれしいことはありません。

お客様の情報

  1. 徳田青果有限会社
  1. 〒798-0077 愛媛県宇和島市保田乙638番地9号
    TEL: 0895-27-1100
  1. 当社はエクアドルの園地限定で栽培されたバナナを輸入し、長年培ってきた<追熟>の技術を駆使して熟成し出荷。同社の持つノウハウを基に完成させたサンテーラキングバナナ製法を用いて追熟加工を行っています。この製法により、コクがあり、甘く、香りのよいバナナが誕生しました。サンテーラキングバナナの鮮度と美味しさをP-プラスの力で鮮度を保持しながら袋の中でじっくり熟成し、美味しさをしっかり守ってお客様にお届けしています。