ご紹介
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今月ご紹介するのは、JA全農とやまの「ねぎたん♩♩」です。 通常の白ねぎの出荷規格は長さが60cmですが、「ねぎたん♩♩」は40cmと短く太いのが特徴です。コンパクトサイズなので一度に使い切れる大きさです。富山県オリジナル野菜としてブランド化を図るため、全国農業協同組合連合会が「ねぎたん♩♩」という商標名を登録し、関係機関一丸となって生産拡大に取り組まれています。「ねぎたん♩♩」は白ねぎより全長が短いため、定植後から出荷までの期間が短く夏に旬を迎える野菜です。夏においしいという強みをしっかり守って消費者の期待に応え、その魅力を全国に伝えるためにP-プラスを採用していただいています。 |
コンパクトなサイズが人気を集める「ねぎたん♩♩」
富山県は、三方を北アルプスの立山連峰など3000メートル級の山々に囲まれながら、日本海から南に向かって平野が広がる独特の地形を有しています。そのため“天然のダム”と表現される山々を水源とする豊かで綺麗な水が平野に流入。広い耕地を潤すという、農作物にとって最適な特徴を持っています。
そんな環境にあるためか、米の生産が盛んに行われ、水田率は実に96.1%に上るのだとか。全国平均(54.4%)との差は大きく、全国第一位となっています。さらにチューリップをはじめとする多彩な野菜や果樹、花きなどの生産地としても知られ、全国的に名が知られているブランド品も多く輩出。今回、ご紹介する「ねぎたん♩♩」も、富山県が力を入れて育成してきたオリジナルブランドの白ネギとなっています。
「元々、富山は白ネギの生産が盛んにおこなわれてきた地域。富山県で生産されている野菜の中で最も販売金額が大きい品目となっています。実は白ネギというのは水田を活用して栽培することが可能なので、米農家の方々の転作によって栽培規模が拡大していったという経緯があります」と説明するのはJA全農とやま米穀園芸部の長瀬由希子さん。そういった地域的な環境からこの「ねぎたん♩♩」は生まれてきたといいます。
「ねぎたん♩♩」の最大の特徴は、その長さにあります。一般的な白ネギの出荷規格は60cmですが、「ねぎたん♩♩」は40cmとコンパクト、しかし一般的な白ネギに比べて太く、1本当たりの重さは通常の白ねぎと変わりません。そして、柔らかく辛みの少ないという特徴を持っています。消費者のライフスタイルの多様化などに伴い「使い勝手がよく、一度に食べきれるおいしいねぎが欲しい」という声に応えるために富山県農林水産総合技術センターが国の農業・食品産業技術総合研究機構と協力して研究に取り組み、2010年に富山県のオリジナル品種として登録されました。さらに富山県オリジナル野菜としてブランド化を図るため、全国農業協同組合連合会が親しみやすい「ねぎたん♩♩」という商標を登録してPRに努めています。
「その形状から容易に想像できるように、細かく切って薬味にするより、そのまま焼いて食べるのが人気です。緑の葉の部分も柔らかく、すべて食べられますので捨てるところが少なく、ごみが出ないという特徴を持っています」
生産者からすると、通常の白ネギより「ねぎたん♩♩」は1か月ほど栽培期間が短く、害虫が付きづらく、病気になりづらいというメリットもあるといいます。
「さらに軟白部と呼ばれる白い部分を育てるために必要となる土寄せという作業が少なくて済み、一般の白ネギより栽培に手がかからないというメリットもあります」
また、「ねぎたん♩♩」は白ネギ収穫量が少なくなる7月に出荷ができます。そのため、水稲作業の時期と重ならないので、複合経営に適しているなど、様々なメリットがあります。
一方の消費者ですが、夏場に美味しくいただける以外にもメリットがあるといいます。まず、このコンパクトなサイズが買い物袋や冷蔵庫に収まりやすいと好評。東京や横浜のような都心部ではこの利便性が受けているといいます。
「東京のデパ地下にあるスーパーでは、わざわざ長ネギをカットして販売していると聞いています。そうすると、どうしてもその切り口から痛み始めてしまうものですが、この「ねぎたん♩♩」は短いので、切らずに店頭に並べることができます。生協さんにも供給していますが、そのまま宅配用の収納ボックスにすっぽり収まるということで非常に好評です」
2006年あたりから本格出荷を開始したこの「ねぎたん♩♩」ですが、黒部市、魚津市を中心に栽培地が広がり、今では県全体で60トンあまりを出荷。そのうちの40トンほどが首都圏に出荷されています。
夏場に出荷するからこそ、鮮度保持を重視
「ねぎたん♩♩」の出荷は7月~9月。夏場にピークを迎えるため、以前から品質保持の対策が講じられてきたのだとか。
「そんな中、2014年にある青果物専門流通企業のオリジナル商品として『夏でもおいしいネギ』という企画が持ち上がり、「ねぎたん♩♩」が採用されることになりました。味はもちろん一般的に冬に出回る白ネギとは違い、鮮度保持が重要なアピールポイントになると認識。P-プラス包装による鮮度保持試験を依頼しました」
住友ベークライトの評価センターで保存温度を15℃、25℃に設定し、期間を3日間として、官能試験や重量変化、食味などをチェック。夏場を想定した25℃帯の試験において、その効果を実感し採用を決定。さらに地元の生協に出荷する「ねぎたん♩♩」の包装材としても採用が決まりました。P-プラス導入してから4年が経過。鮮度に関係するクレームは一切届いていないといいます。
「生協の宅配では、消費者が直接手に取って選ぶことはできません。届いた野菜の中に鮮度が悪いものが混じっていたら大変なことになります。“鮮度が良いのは当たり前”という前提の下で出荷を続け、クレームがないというのは、バイヤーさんも消費者も満足している証と受け止めています」
P-プラスの効果で品質に対する自信が持てた
長瀬さんが所属するJA全農とやまの役割は、生産者の方々の営農活動に必要な資材の供給と生産された農産物の拡販。良い資材を採用することで、農産物の付加価値を高めながら拡販する役割と自負しているからこそ、P-プラスのチカラを実感しているのだといいます。 「P-プラスは評判が良いので、他の農産物の出荷にも使用する機会が増えたら良いと思います。最初に採用に至った青果物専門流通企業さんは、広島にまで私たちの生産したねぎたん♩♩が届いていると聞いています。それもP-プラスに入っているから、遠方の方々のニーズにもお応えできているのでしょう。これからも、多少の遠隔地であったとしても、求めている人がいらっしゃる限り、できるだけお届けしたいと思いますし、それはP-プラスのチカラを借りなければ成立しない。P-プラスの効果で産地として、流通過程の環境や距離などに左右されず、品質に自信を持つことができました。その自信を力に、全国に富山の美味しい野菜を届けていきたいですね」 これからもP-プラスの鮮度保持力によって、富山の農産物の魅力を全国に発信できるお手伝いができたら幸いです。 |
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