ご紹介
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今月ご紹介するのは、JA全農やまぐちの『はなっこりー』です。平成2年、はなっこりーは山口県農林総合技術センター(旧:山口県農業試験場)で産声をあげた地場の野菜です。今では山口県民の食卓の定番の野菜となりました。 最近は、テレビや新聞にも取り上げられ、県外からのお問い合せも増えてきており、全国の皆さんにも注目されつつあるこの山口が誇る人気野菜を輸送中・店頭・ご家庭まで鮮度を保ってお届けするためにP-プラスを採用していただいています。 |
『正直やまぐち』をシンボルに掲げる山口県産品
JA全農やまぐちは山口県山口市に位置します。山口県は穏やかな「瀬戸内海」、荒々しい「日本海」など、三方を海に面し、その異なる表情と海の幸に恵まれ、四季折々の美しい自然がある街です。 山口市はその中央部に位置し、四方を美しい山々に囲まれ、緑豊かな自然に恵まれた街です。昔から平地の少ない地形に負けず逆にそれをうまく利用して、バラエティに富んだ産品を世に送り続けてきました。
山口県では県内で生産される農畜産物のうち、生産・販売・商品管理に至る一貫した責任体制が確立され、販売計画等が明確であるものに『正直やまぐち』のマークをつけて出荷。やまぐちの山の字を笑顔のようにデザインしたこのマークが生産者の人柄とハートの象徴となって本物志向の方々への信頼の証となっています。現在『はなっこりー』を担当しているJA全農やまぐち園芸課の中山さんも『はなっこりーを通じ、生産者も笑顔、消費者も笑顔となるように取り組んでいます。』と語ります。それゆえ、消費者においしさを届けることはもちろんですが、生産者には、作るのが楽しい、儲かる品目として実感してもらい、栽培する方がもっともっと増えてくれることを願って生産者のサポートに尽力されています。
山口県民に大切に育まれた『はなっこりー』
みんなで育てて、愛情たっぷり、ぶちおいしい~♪…こんなフレーズの歌が、山口県のスーパーの野菜売場で流れています。これは過去10数年にわたって、山口県の代表的な地場野菜として大切に育てられてきた「はなっこりー」の歌です。イベントなどでは、はなっこりーのマスコットキャラクターである“ゆるキャラ”「はなっこりん」が、歌に合わせて踊りを披露するのだといいます。まさに、県民をあげて支援して愛用しているという、全国にも例をみない地場野菜なのです。
ちょっと見ると、菜の花のような形状をしたこの葉物野菜「はなっこりー」は、実は、代表的な中国野菜であるサイシン(菜心)を母親、ブロッコリーを父親として、山口県農林総合技術センター(旧:山口県農業試験場)によって選抜・育成された山口県の新しい野菜です。
はなっこりーが生まれるまでに、サイシンやブロッコリーの他にもさまざまな野菜の組み合わせが交配され、栽培、試食が繰り返されました。なんと、野菜など95通りの組み合わせで、4万以上の個体の中からはなっこりーは選ばれたのです。
試食した中には、はなっこりーのように味の良いものもあれば、苦いものや固いものもあり、決して楽な仕事ではなかったようです。
平成11年に品種登録されましたが、すでに平成8年くらいから試験的栽培が始まっていました。それが、いまや生産面積も15ha、生産流通量でも100トンまで拡大したのですから、新しく登場した地場野菜としては“大出世”です。この間、農家への生産普及と県民へのPRに、JAグループやまぐちが、県をあげて全面的支援した成果であることはいうまでもありません。
「中国生まれの お野菜サイシン お母さん もこもこアフロの ころころブロッコリー お父さん」
「はなっこりーの歌」はこんなフレーズで始まります。中国ではどこにでもある、最もポピュラーな菜っぱ類で、さっと油通しするだけで食べられるサイシン。糖質もグルタミン酸も豊富なブロッコリー。その両親の“いいとこどり”の「はなっこりー」は、茎が柔らかいために、花蕾と一緒にさっと30秒~1分ゆでると食べられる、鮮やかな緑で甘みがあり、クセもないのでサラダをはじめ和・洋・中のどんな料理にも利用できる、といった特性を持ったスグレもの。そんな品種の由来を、歌を通じてみんなが知っているという野菜も他に例を見ません。
『はなっこりー』が愛される訳
これだけ山口県民に浸透しているのには、いくつかの理由があります。まず、その生産・販売期間です。「はなっこりー」が開発された当初は、1品種しかなく、厳冬期には出荷量が少なくなり、出荷量の波がありました。それがいまでは、新たに3系統が加わったことで、9月から始まったシーズンは、冬を過ぎて春から初夏の6月までの長期間にわたります。夏の一時期は別にして、ほぼ一年中出回っているのですから、県民にとって最も身近な地場野菜として愛されるようになったのです。 生産面では、『1回収穫したら終了ではなく、長期間収穫出来るので、収入面でも安定します。また、長期収穫のポイントとしては初期の株づくりにあります。ここは生産者の腕の見せどころ。商品面では、和・洋・中のどんな料理にでも合いますし、シャキッとした歯ごたえと甘みがあるのが魅力です』と中山さんは言います。 ふたつめの理由は、その柔らかい食感の保持と品質管理のため、年間に出荷される60万袋(1袋170g入り)のすべてにMA包装(P-プラス)が採用されていること。小売店の店頭での販売から、家庭に買って帰ってからもロスにならず、いつまでも同じ食味が楽しめるという軟弱野菜は、だれからも重宝されます。 採用前にはもちろん試験をしました。まずは、はなっこりーの呼吸量を計測してもらった後、次に、複数パターンの袋を用意してもらい、一番良い結果のものを選抜しました。それをJAグループ山口のはなっこりー生産出荷協議会で諮り、見事採用となりました。』と中山さんは振り返ります。 その後、はなっこりーの内容量が変更となったり、技術面で袋が変わることもありましたが、現在もP-プラスを採用し続けていただいています。 |
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消費者も生産者も笑顔にしたいという思い
中山さんは、はなっこりーの生産を通して、生産者も笑顔、消費者も笑顔となるように取り組んでいるといいます。『生産者には、作るのが楽しい、儲かる品目として実感していただき、栽培する方がもっともっと増えてくれるよう願っています。消費者には、はなっこりーは安全・安心で新鮮で美味しいと感じていただき、毎日のご家庭の料理に使っていただけるように頑張っています。どちらもすぐには結果として現れないので、地道に取り組みをすすめています。しかしながら、PRはいつでもできますので、レシピを公開したり、イメージキャラクターのはなっこりんが店頭でPRイベントを行うなど、はなっこりーの魅力を知ってもらえるよう日々取り組んでいます』
こうして県民にいきわたった「はなっこりー」は、いま、東京や大阪など大消費地からも「なんとか分けてもらえないか」という問い合わせが増えているといいます。もちろん、優れた食味と品質を持った軟弱野菜だから、ということもありますが、それ以上に「山口県民みんなが愛用している、地域限定の特産野菜だから」という理由からです。
いま消費者は、どこでもいつでも手に入る商品には魅力を感じなくなっていますし、なんの由来もない新商品にも興味を示しません。しかし「はなっこりー」のように、「みんなで育てて、愛情たっぷり、ぶちおいしい~♪」と、地域に支持され育てられてきた商品こそが、現代における魅力的な商品なのです。
中山さんたちの取り組みはさらに未来を見据えます。
『今、注目しているのがアスパラガスです。はなっこりーの出荷期間がおおよそ9月~5月、対してアスパラガスは春芽が2月~6月、春芽が7月~10月と、ちょうど、はなっこりーが少ない時期・無い時期に出荷があります。アスパラガスも年々出荷量が伸びてる野菜ですし、料理方法も近しいので、近い将来、はなっこりーとアスパラガスをセットで推進し年間通じた販売が出来ないか思案中です』
『はなっこリーも山口県やJAグループ山口一丸となった過去からの取り組みのおかげで、山口県内では「誰もが知っている野菜」になっていますが、県外においては「知る人ぞ知る野菜」に留まっていますので、どんどんPRし認知度と需要を高めていきたいと考えています。
いずれにせよ、高まる需要に対する供給(生産量)も確保する必要があるので、栽培される方ももっともっと増えて、みんなが笑顔になればうれしいですね』
山口県民に愛される野菜「はなっこりー」が全国区の人気野菜になるためにP-プラスの鮮度保持技術が一助となれば、私たちも『正直やまぐち』のマークのようにニッコリです。
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