11月のP-プラス青果物 株式会社 森の環【しいたけ】 | 住友ベークライト株式会社

森の環【しいたけ】

ご紹介

今月ご紹介するのは、森の環(もりのわ)の『しいたけ』です。今年10月1日社名を上田産業から森の環と改め、森にはじまり、森に環る農業を目指して新たな一歩を踏み出した企業です。

森の環の位置する富山県はしいたけ菌床の主原料となる広葉樹(ナラ、クヌギ等)の森林資源が豊富。そして水に恵まれ、水質は日本有数の軟水という好立地。この恵まれた環境ではぐくまれる瑞々しいしいたけの鮮度を保ち、市場にお届けするためにP-プラスを採用していただいています。



国産菌床にこだわる森の環のしいたけ

森の環は、きのこ栽培用菌床(人工ホダ木)の製造、及びしいたけ栽培を主たる事業としています。前身の上田産業は平成27年青果卸大手の長野県連合青果株式会社(長野県上田市)の100%子会社となりM&A後、3年経過した今年、大型設備投資を機に社名を森の環に変更。新しい経営理念である「農業に新しい価値を創造してこころゆたかな食と地球の健康に貢献し続けます」を基にコーポレートメッセージ『Listen, all things in nature』を掲げました。代表取締役社長である春日勝芳さんは「私たちが目指しているのは、森に始まり、森に還る循環型農業。自然から学び、森から学び、そして人と自然の共生を意識しながら事業を進める、人と地球環境に優しい企業であることです」と語ります。

その言葉通り、今年の4月に関連会社が保有していた大型の廃工場を再生し、太陽光と地中(地下水)熱を活用した低エネルギーコストを実現する新たな生産拠点として生まれ変わらせることに。省力型の自動選果機やピロー包装機を導入し、さらにクリーンルームで作業を行うなどの高度衛生管理体制を敷いています。

「工場の建屋内を囲う腰板には、虫食いによって不適合と判断された木材を使用。単なるスローガンに留まらず、環境保全につながる活動を積極的に実践しています」

森の環が拠点を置く富山県は、きのこが生育する菌床の原料となる森林資源、特に広葉樹が豊富な場所として知られています。

「しいたけの9割程度が水分なので、菌床栽培にとっては、身体に優しく美しい水が大変重要な要素となります。富山は清らかな水源に恵まれた場所で、全国有数の軟水の湧出地としても知られています。まさにしいたけをはじめとするキノコ栽培に最適な場所といえます」

同社が生産するしいたけの最大の特徴は、菌床の原産地にこだわっている点にあるといいます。

「先ほども述べたように、しいたけの9割は水分でできています。すなわち、菌床となる樹木の成分を吸収しやすいということですね。私たちがしいたけを栽培する菌床は国産広葉樹を原料としています。昨年、業界団体が国産であることを認定するマークを作ったのも、消費者の方々に安心・安全なしいたけをお届けしたいという思いの現れです」

菌床製造から栽培、販売の一貫体制で、年間生産量900トン超の安定供給。種菌は3種を使用しニーズに合わせた商品対応が可能。

「基本姿勢として、プロダクトアウトではなくマーケットインの発想です。生産者の都合ではなく、あくまで消費者に近い立場で市場に対する提案を実施しながら、従来型の農業の固定概念を変えていくことが必要だと思っています。ですから、良い生産物を提供するのは当然のこととして、さらにオープンに消費者が必要な情報を発信していくことも重要だととらえています」

新生森の環は、柔軟かつ先進的な取り組みにより、農業に新たな価値を創造し強いビジネスへと変えていく、そんな挑戦を続けています。


しいたけの鮮度保持と環境問題の観点からP-プラスを採用

森の環では、鮮度保持と環境問題(ゴミ削減)の観点からP-プラスの採用に到ったといいます。

「鮮度保持のため、収穫してすぐにトレーパックとラップを使って密閉包装をしていたのですが、外部からの酸素を遮断するため、時間の経過による異臭が発生するという問題が生じていました」

これは完全密封することで袋内が酸素不足によって嫌気状態となり、青果物が窒息して異臭が発生するという現象です。その点、袋内を「低酸素・高二酸化炭素」状態に保つP-プラスを採用することで、袋内でしいたけを窒息させず、さらに呼吸をできるだけ低く抑えることで、鮮度保持が可能になり、臭気についてのクレームもあがらなくなりました。しかし、ここで新たな問題が浮上したのだといいます。

「鮮度の良いしいたけをそのままP-プラスで包装して発送すると、どうしても袋の表面に水滴がついてしまいます。しかし、このしいたけに含まれている水分は、富山が誇る清涼な水源から湧き出たものです。すなわち、袋の中にしたたる水滴は、きれいで身体に優しい、といった思いを込めて、商品名を“名水そだち”という名前にし、パッケージデザインにも工夫を凝らして出荷しました」

もちろん、水滴の問題については、住友ベークライトとともに対策を講じながら、しっかり市場にアピール。品質はもちろん、その絶妙なネーミングもあって、消費者の注目を集めるようになりました。

Pープラスのストロングポイントを強調してアピール

そんな森の環が目指す“循環型農業”を実現し、広く市場に認識してもらうためには、P-プラスの存在が必要不可欠だといいます。

「しいたけの鮮度・品質を保持する目的を達成するために採用したのですが、P-プラスの特性と生産物の魅力を抱き合わせしてアピールしていこうと考案したのが、配送用の段ボールにも穴をあけて呼吸をさせるという手法です。せっかくしいたけを密封包装せずにP-プラスの中でゆったりと呼吸しているのですから、そのストロングポイントをさらに強調してアピールすることを目的としています」

アイデアはさらに拡大していきます。

「まずは、しいたけ栽培にしっかり取り組んで収益の高い産業にしていきたいと思います。さらに、しいたけ以外のきのこにもチャレンジするつもりです」

多くの種類があるきのこが市場に流通してこなかったのは、出荷数量の問題だと指摘。多くの販売チャネルを持っている同社としてはそのルートを活かし、大量出荷が可能なしいたけと抱き合わせて、生産量の少ないきのこ類を出荷したいと考えているのだといいます。

「様々な研究結果から、きのこは身体によい食品だということがわかっています。今後は、住友ベークライトと協力しながら、環境配慮を目的とするP-プラスの再利用についても一緒に考えていきたいと思っています」

人と地球の健康に配慮する企業として、挑戦を続けていく株式会社森の環の取り組みに対し、私たちも微力ながら、ご協力していければと思っています。

お客様の情報

株式会社 森の環

    〒939-1273
    富山県高岡市葦附1239-55
    TEL: 0766-36-1810

森に始まり、森に環る農業(つながり、めぐる、共生の農業)を目指し、富山の豊かな自然の恩恵をうけた、しいたけの栽培を行っています。本年10月より社名を森の環に改め、新たな一歩を踏み出しました。これからも皆様の期待に応える高品質しいたけを作り出していきたいと思っています。