ご紹介
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今月ご紹介するのは、JAみなみ信州様のぶなしめじ『まるごと一株』です。 昭和47年、世界初となるぶなしめじの人工栽培がスタートして以来、栽培発祥の地として生産者とJAが一体となりたゆまぬ努力を続けています。 生産者の方々の思いが詰まった、高品質のぶなしめじをそのままの状態で食卓に届けたいという思いから、P-プラスを採用していただいています。 |
ぶなしめじ栽培発祥の地、南信州
長野県南部に広がる、飯田下伊那地方は、飯田市を中心とした1市3町10村の総称。その中心を天竜川が貫き、東西を2つのアルプスに囲まれた、豊かな自然と清廉な空気と水に恵まれた場所で、俗に“南信州”と呼ばれています。
標高400mから1000mまで高低差の異なる地域ごとに、それぞれ特徴ある農産物を生産。特産の“市田柿”をはじめとする、多彩で魅力的な果物、野菜の栽培が盛んに行われています。中でも、きのこの生産地として長い歴史を持っており、昭和47年、世界初となるぶなしめじの人工栽培がスタート。“ぶなしめじ栽培発祥の地”として知られています。
現在は、主力のぶなしめじやえのきだけはもちろん、さらにハナビラタケや雪姫茸、白色ぶなしめじといった、珍しい品種の栽培にも着手。おいしいきのこを一年中、日本全国の消費者の元に届けています。
「当時、私どもJAみなみ信州の前身である上郷農協が、現在のタカラバイオさんと共同で、同社保有の種菌を使った人工栽培に挑戦。えのきだけはすでに盛んに栽培されていましたが、やはり種類が違えば勝手も違います。すべてが手探りの状態からはじまり、何度も何度も試行錯誤を繰り返していたとの記録が残されています」というのは、JAみなみ信州きのこ課の原課長。“世界初”を成し遂げた快挙もさることながら、当時、人工栽培に関わった生産者やJA職員が誰一人、そのノウハウを独占することなく、県下全域の生産者に働きかけ普及に努めた、その功績が大きいのだといいます。
「今日の長野県のぶなしめじ産業があるのは、地域農業の振興を最優先事項と捉え、私利私欲に走ることなく、人工栽培の普及活動に取り組んでいた先人たちのおかげであると思っています」
品種改良と流通改革を同時に推進
ぶなしめじに対する特別な思いは、その後もこの地域の中で脈脈と受け継がれることになります。今日に至るまで、生産者とJAが一体となり、いくつもの先進的な取り組みが繰り返されてきたのも、そんな意識の表れといっても過言ではないでしょう。
「以前は、ひと行政にひとつのJAがあり、それぞれが独自に運営を行っていました。ところが、私たち、“きのこ部会”だけがいち早く、管轄を超えた共同出荷を実施。ロット数をまとめて流通しやすくし、価値ある商品を消費者にお届けできる体制を構築しました」
近年は、ぶなしめじの品種改良にも注力。JA長野県グループの研究開発機関である『一般社団法人 長野県農村工業研究所』では毎年、数千種もの新品種の試験を実施。人工栽培をスタートした頃に使用していた種菌に比べ、飛躍的な進化を遂げているといいます。
「きのこの味は、生産条件よりも、菌そのものによって決まります。現在、私どもが生産しているのは“NN-12”という種菌を使用したぶなしめじ。カサの色が黒々としていて茎が太い、いかにも“きのこらしい”見た目が特徴と言えます。食感や味も大きく変化しています。一言でいえば、“シャキシャキぷりぷり、味わい深い”。さらに苦みを排除し、小さなお子様でも抵抗なく食べられるように改良しました。最優先すべきは、あくまで消費者に対する配慮であり、“つくりやすい”とか“たくさん採れる”といった、生産性を最優先する作り手や売り手サイドの視点でないと思っています」
JAみなみ信州のきのこ部会に所属する有限会社I・Factoryの代表・伊藤敏光さんが、信州きのこ祭りの品評会で2年連続(JAみなみ信州としては3年連続)、農林水産大臣賞を獲得したのも、ご本人の創意工夫はもちろん、JAと地域の生産者が意識を共有しながら、共に積み上げてきたノウハウの賜物とも言えるのでしょう。
“国民的食材”の供給責任を感じながら
生産者の方々の思いが詰まった、高品質のぶなしめじを、そのままの状態で食卓に届けたいという思いから、常に最適なロジスティックを模索し続けてきたといいます。
「せっかく、美味しいぶなしめじを生産しているにも関わらず、現在の日本のシステムではどうしても、収穫した日や翌日に店頭に並べるのは大変難しいという現状があります。さらに、梱包方法にも問題があると思っています。トレイに入れ、その上からラップをして店頭に並べるのが主流になってはいますが、どうしてもゴミの問題が生じてしまいます」
もちろん、ぶなしめじが他の野菜に比べて、極端に日持ちが悪いわけではないのですが、品質にこだわり抜いたぶなしめじを栽培してきた生産者の方々の胸中には、“出荷した後も、現在、考え得るベストな状態で消費者に届けたい”という思いがあったのだといいます。
「ECOの観点から、トレイをやめて袋入りにしようと考えた段階で、鮮度保持フィルムに着目。つきあいのある包装資材の商社さんから住友ベークライトさんのP-プラスをご紹介いただき、念のため各社製品を比較。その違いは一目瞭然でした。それはP-プラスだけがカスタマイズ可能で、きのこ専用に透過する空気量の調節が可能であったから。実際に試してみると、劣化進度の差は明らかでした」
P-プラスを導入してから9年が経過。その間、包装由来による品質トラブルは皆無であったといいます。
「おかげで1年を通して品質の安定したぶなしめじの出荷が可能となり、ロス発生によるコストもカットされ、お求めやすい価格になっていったことで、ぶなしめじは日本人にとって大変ポピュラーな食材のひとつとなりました。食卓はもちろん、現在では学校給食のメニューにもなくてはならない存在となっています。
ですから、今は供給責任すら感じています。もしもスーパーから、ぶなしめじがなくなってしまったら…想像もつかないですよね。季節の果物と違って、一年中愛されている食材だからこそ、絶対に切らせてはいけないと肝に銘じながら、高品質なぶなしめじを安定供給するべく日夜努力をしています。」
まさに“国民的食材”となったぶなしめじではありますが、消費者からは見えないところで、生産者やJAの方々による、品質改良、流通改革といったたゆまぬ努力が積み重ねられてきたのも事実。
P-プラスも安定供給の一助となっているとしたら嬉しい限りです。
お客様の情報
JAみなみ信州 きのこ課 〒395-0804 長野県飯田市鼎名古熊2154−1 TEL: 0265-52-5102 JAみなみ信州はきのこ栽培が盛んな地域です。 今回紹介したぶなしめじをはじめ、えのきたけ、少量ですが、なめこ、最近では、ハナビラタケ・雪姫茸(バイリング)・白色ぶなしめじといった品目も栽培しています。 |
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