ご紹介
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今月ご紹介するのは、農業組合法人川越地域生協出荷組合の「枝豆」です。 消費者に安心で美味しい枝豆をお届けするために、二重三重の手間をかけ、使用する農薬を減らして栽培しています。その為に完熟たい肥(落ち葉、モミがら、オガくず等)を畑に入れて、野菜の甘みがますよう努力して栽培しています。 新鮮な枝豆をそのままお届けしたいとの思いから15年前よりP-プラスを採用していただいています。 |
首都圏のニーズに応える意欲あふれる農業集団
埼玉県川越市は、首都圏30km圏内に位置することで消費地に近く、交通利便性も高いという有利な立地により、大都市近郊農業のモデル地域として発展を続けてきました。また各農家において若い後継者への世代交代もスムーズに進んでおり、意欲の高い農業経営者が多いという特徴もあります。
1971年、当時の生活協同組合に対する出荷業務を請け負うかたちでスタートした農業組合法人川越地域生協出荷組合は、そんな川越農業の優位点を凝縮したような組織といえます。
所属する52戸すべてが専業農家で、平均年齢は37歳と若く、全組合員が常に前向きに技術と品質の向上を目指しています。食品残さをリサイクルして活用した有機たい肥や、武蔵野の平地林から出る落ち葉などを使用した完熟たい肥、さらに休耕中の時期にソルゴーなどの緑肥を植えるなど、化学肥料には頼らずに畑の地力の向上に注力。消費者に対して安心安全な農作物を届けるのはもちろん、自分たちの大切な農地を守り、永続的な農業経営を目指しています。
当組合への入会には厳選なる審査が必要で、しっかりとした出荷計画に基づき、安定した出荷ができるという条件を設けるなど、顧客のニーズに応えてようとする真摯な姿勢が感じられます。
昔ながらの“白毛”品種にこだわって栽培
川越地域生協出荷組合に所属する農家のうち、約3分の1にあたる17軒が枝豆の栽培に取り組んでいます。『福だるま』『味風香』など、いわゆる“白毛品種”の枝豆を、その年の気候条件に合わせ、選択して栽培。香ばしい風味が特徴の茶豆の流行に押され、栽培農家が全国的に減少を続ける中、昔ながらの枝豆の味を頑固に守り続けています。
この“白毛品種”はクセのない味が特徴であるため“枝豆ごはん”などといった料理の素材としても力を発揮しますが、なんといっても、その魅力を最大限に満喫できるのは、茹でたてをいただくというシンプルな食べ方。少し懐かしいような、枝豆本来の若々しい味わいが口の中いっぱいに広がります。
また、出荷期間が5月末から7月いっぱいとなり、長期に渡って栽培される茶豆に比べ、より一層“季節の風物詩”としてのイメージも色濃く、限定された期間に旬の味わいを楽しみたいと考える多くのファンの支持を集めています。そんな愛好家たちのニーズに応えようと、約100t前後の新鮮な枝豆を埼玉、および東京エリアの一部に出荷しています。
P-プラスで農家の作業効率が飛躍的にアップ
川越地域生協出荷組合がP-プラスと出会ったのは今から約15年前のこと。当時の状況を当組合の事務局長である御村哲也さんは、このように振り返ります。「メインの出荷先であるコープ東京さんから、ネット包装以外の手段を模索すべきとの問題提起がありました。店頭に並んだ時点ですでに枝豆の表面が乾いている、黄色く変色している、などといった声が各店舗からあがっていたようです」
川越エリアから出荷される段階では当然、ひとつひとつがしっかり選別された完全な状態であったとしても、店舗によっては流通過程において2日ほど保存されてしまったり、あるいは店舗サイドが多めに仕入れたものを、二日間に分けて店舗に並べるなど、対応がまちまちな状態だったといいます。
当然のことながら、川越地域生協出荷組合側がそこまでを予測して出荷することは不可能だったといいます。
「コープさん主導の下で、いくつかのMA包装を試してみたのですが、鮮度維持についてはP-プラスが他を圧倒。抜群の鮮度保持力を見せていました。」
さらに、農家の方々を喜ばせたのは、作業効率の良さだったとのだとか。「P-プラスを採用するまではネットの口をラベルで熱着して封入していました。ほとんどの農家に一台の熱着器しか用意されていませんでしたが、チャック付のP-プラスであれば、数人の作業者で同時に封入することができます。コープさんが求める鮮度をキープできるのは当然のことながら、農家によっては1人6トンもの枝豆を出荷するわけですから、この封入作業の効率化は、私たちにとってある意味、革新的なものでした。トライアルを終えた時点で、ほぼ全員一致でP-プラスの採用を決定。以降の出荷からは、枝豆を栽培する農家全員が利用することを決定しました」
加えて、袋の表面に施すデザインの自由度が高い点にも着目。現在は川越のシンボルともいえる“小江戸”をイメージしたデザインを採用し、差別化を図っているといいます。
さらに付加価値の高い農産物を提供するために
川越地域生協出荷組合としては、今後も大都市近郊農業の担い手としての責務を全うするために、たゆまぬ研究努力を続けていくといいます。
現在は組合内に品種別部会や農薬部会、たい肥部会などを設置。一層の品質向上のために研究や議論を重ね、より付加価値の高い農産物の提供を目指しています。
最近では、工場のラインを用意するまでもなく多少の加工を施した“洗いサトイモ”などの半加工品に対するニーズの高まりを感じて産地で可能な一次加工を行うことで農作物の価値を高める、そんな可能性を検討しているとのこと。
若手が中心となって、こだわりの農法で安心安全な農産物を提供する川越地域生協出荷組合。昔ながらの伝統の味を守るのは、実は意識の高い若手なのだということに新鮮な驚きを感じました。新しい農業の未来がここ川越から生まれることに期待がふくらみます。
お客様の情報
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農事組合法人川越地域生協出荷組合 様 〒350-1151 私たちは皆様に、安全で、おいしい野菜をお届けするために、二重三重の手間をかけ、農薬を減らした健康な野菜を作る様に心がけて枝豆や大根、にんじん、ほうれん草、小松菜、サツマイモなどを出荷しています。 |