ご紹介
今月ご紹介するのは静岡県藤枝市の御殿谷農園のルッコラです。
ルッコラは独特の豊かな香りで人気のイタリア料理の普及とともに一般に知られるようになった地中海沿岸原産のハーブです。
“食味の主役”ルッコラ
ハーブ類はいま、洋風レストランを中心に業務用需要者にとっては欠かすことができない香辛野菜です。生鮮のハーブ類が日本でも生産されるようになり、卸売市場の専門仲卸などを通じて末端のレストランまで流通する仕組みができて、もう20年以上の歴史があります。ハーブ類の多くは、肉や魚料理の風味付け、臭い消しなど独自の機能や利用法が決まっています。それはちょうど和食における妻物類と同様の役割です。それだけに、ある意味、専門性が高い調味料であり、一般にはなかなか普及しなかったことも事実でした。
そんなハーブ類のなかで、近年最も成長したのはルッコラでした。ルッコラは、かすかにゴマの香りのするハーブで、どちらかといえば、サラダ用の野菜類の仲間として多用されるようになったのです。また、過去20年で地道に成長してきたサラダ野菜“ベビーリーフ”でも、欠かすことができない“食味の主役”としても認知度が上がってきてもいたのです。
こうしてルッコラが一定の地位を獲得すると、生産と需要を結ぶ役割を担う流通業界にとって大切なことは、年間を通じて安定的にルッコラを調達すること。そんな流通業者たちがいま、最も信用をおいているルッコラ生産者が、静岡県藤枝市の御殿谷農園なのです。
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御殿谷農園では現在ルッコラを、年間を通じて約2万8千kg生産しており、50gの小袋から業務用の300gバラ詰めまでの商品アイテムを持っています。「注文を受けたら絶対に欠品しない産地」という流通業界からの信用は、ちょっと他の産地にはみられないほどのもの。いまや東は東京の築地、大田市場、横浜市場まで、西は名古屋市場はもちろん、大阪市場まで、業務用の納め業者にはもっとも有名な産地だといっていいでしょう。 |
御殿谷農園の最大のウリは、安心・安全
現在、経営を引き受けている御殿谷勝昭さんは農家の3代目。お茶やミカン、イチゴなど地域の名産品といわれる品目を中心に生産していましたが父親が20年前に大手ファミリーレストランからの注文を受けた浜松地区の農家の下請けで、初めてルッコラの生産を始めたのがキッカケになりました。
いまでは同農園のハーブ園2haのうち、80aでルッコラを生産していますが、最近成長著しいパクチーやセルバチコなども人気上昇中だといいます。なにしろ、御殿谷農園の最大のウリは、安心・安全。土壌消毒には太陽消毒や蒸熱消毒を使い、防虫ネットを利用して減化学肥料減農薬の特別栽培に認定されているために、例えば品質管理の最も厳しいといわれる大手ファミレスやファーストフーズの品質管理担当者から、“一発承認”というほどの生産農家なのです。
末端の需要者からの評価と並んで、卸売市場の青果会社や仲卸業者、さらに業務用納め業者などの流通業界から、これだけの信用と評価を持っているのには、周年供給体制に加えてそれなりの理由があるのです。御殿谷農園はすでに20年前、受託生産していた当時から、見かけの鮮度保持だけでなく、ハーブ類の命である香りや食味など内容・品質まで保持するMA包装(P-プラス)を採用していたことです。「お客様の期待に応える」という御殿谷勝昭氏のプライドが、それで証明されています。
次代のハーブ・マーケットを牽引
成長頭である胡麻風味のルッコラに続き、イタリア料理定番のバジル、スイーツ類に添えるミント類、中華・アジア系料理で需要増のシャンツァイ(香菜、パクチー、コリアンダー)などが、まだハーブ類に大分類されていますが、そろそろ“ハーブ出身野菜”として独立しそうな勢いです。また、ハーブ類には鶏肉とローズマリー、魚料理やピクルスとディルなど、一般の消費者でも分かる相性のいい使い方があって、今後に成長が期待できる品種も目白押しです。御殿谷農園が、そんな次代のハーブ・マーケットを牽引する産地のひとつであることは、間違いないでしょう。
お客様の情報
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御殿谷農園 様 |