2014年9月のP-プラス青果物
フラワーランドかみふらの【トウモロコシ】

フラワーランドかみふらの【トウモロコシ】

夏の北海道…。爽やかな風を求めて、多くの観光客が訪れます。そのお目当ては、何といっても北海道の夏の味覚。8月にもなると、毛ガニなどの魚介類に加えてメロン、トウモロコシが美味しくなることを、誰もが知っているのでしょう。

今年は天候不順の影響で1週間以上も遅れたトウモロコシも、下旬から9月に入ると最盛期。北海道を代表する農産物直売施設のひとつ「フラワーランドかみふらの」には、メロンやトウモロコシを求めて連日、大勢のお客さんが訪れています。

「フラワーランドかみふらの」の直売施設では、8~9月の期間にトウモロコシだけで30万本を売るというのですから、その規模の大きさがわかります。この施設には年間約15万人もの人が訪れますが、その目的は5月下旬~6月下旬にはアスパラガス、続いて9月下旬までが富良野メロン、そして8月中旬から2か月間続くトウモロコシ。もちろん、9月下旬~10月下旬のジャガイモ、タマネギ、カボチャも目玉商品です。

なかでも「フラワーランドかみふらの」のトウモロコシは、観光客だけでなく地元・北海道にも、さらに九州・沖縄まで全国にたくさんのファンがいます。その理由はまず、トウモロコシは5~6月の早出し産地宮崎産から始まるのですが、9月までの北海道が日本列島の最後の産地。昼と夜との温度差がある内陸部の上富良野で育つトウモロコシは、格別に甘く育つからなのです。そして「フラワーランドかみふらの」では、その収穫したての糖度、食味を消費者に届けるために、10年前からMA包装(P-プラス)を使って宅配しています。3本パック、6本パックから、家族でたっぷり食べてもらうための12本パックまで、アイテムも豊富。もちろん、観光客がお土産に持ち帰る直売品も、同じくP-プラス包装され喜ばれています。

トウモロコシは、繊維質のほかに、黄色の色素成分であるゼアキサンチンが活性酸素の除去に役立ち、肝臓の発がん防止効果、疲労回復にも効果があるビタミンB群、塩分を体外に排出して血圧の上昇を抑えるカリウム、老化防止に役立つビタミンE、胚芽部分のリノール酸は血圧を下げたりコレステロール値を下げたりする作用があります。トウモロコシはまさに、熱い夏を乗り切るためのエネルギーや機能性を備えた、優れた野菜でもあります。

最近のトウモロコシの流通動向をみると、不況の影響で一時は市場への入荷も減り気味だったのですが、ここ数年は盛り返しつつあります。とくに、珍しいだけで食味の乗らない早出し物が大きく減って、代わって夏以降の味が乗ってくる時期に数量が伸びているのです。そのために、スーパーなどの小売店頭では、8月からはスイカ売場の横にトウモロコシを並べて、「夏」を意識した売場作りの定番となってきています。

どんな野菜、果物でも、食味本位に転換した品目は必ず伸びているのが近年の特徴。トウモロコシも甘くて柔らかい品種へと、転換に次ぐ転換で消費者を飽きさせませんし、旬を大切にするという消費者意識の変化という要素もあるでしょう。夏本番の旬に、美味しいトウモロコシを消費者に届け続ける「フラワーランドかみふらの」が、全国から熱く支持されているのは、それなりの理由があったのですね。