2014年7月のP-プラス青果物
JAにしうわ 三崎共選【清見タンゴール】

JAにしうわ 三崎共選【清見タンゴール】

6月から7月にかけて、日本列島は梅雨が明けてきます。そんな時期にほしいのが、柑橘類のさわやかなジューシーさではないでしょうか。ほとんどの国産中晩柑橘が終わってしまうこの時期でも、柑橘王国・愛媛県のなかでも柑橘のメッカであるJAにしうわ管内(三崎地区)から、最後の晩柑類「清見タンゴール」が出荷されてきます。消費地の市場や小売店では、ちょうど中元の時期にも間に合うため、ギフト商材として大歓迎。消費者の中にも待ちわびるファンがたくさんいるといいます。

この時期に出荷される三崎共選の「清見」は、鮮度と食味を保持して消費者の手に届けるために、MA包装(P-プラス)で個包装されているのが大きな特徴。4月いっぱい生産者のもとで貯蔵されていた清見は、共選場にすべて出荷され低温貯蔵に入りますが、このうちとくに品質がよく体質の強い清見だけが選抜され、6月以降のP-プラス包装品として出回ります。だから、JAにしうわの御自慢の「清見」なのです。

三崎共選(三崎柑橘共同選果部会)のホームページでは、消費者に向けて次のようなメッセージが掲載されています。
 『私達は、日本一細長いと言われます四国最西端佐田岬半島より、中晩柑と呼ばれる、生育期間が長いかんきつ類をみなさまにお届けしております。中でも三崎産の清見タンゴールは、「清見と言えば三崎」、と全国の市場関係者より高い評価をいただいており、みかん王国愛媛の一翼を担っております。後にデコポン、せとかといった人気の中晩柑を育くんだ清見の清涼な風味を、三崎仕立てで是非ともご賞味くださいませ・・・』

また、とくに「清見」については『収穫は2月から。凍霜害に遭うおそれがありますが、春まで樹上に成らさなければ本当においしい清見はできないことを樹から教わり、以降、樹上越冬栽培にこだわって栽培してまいりました。』と、生産者の創意工夫の歴史と自負とをさりげなく紹介しています。

このように、三崎地区が全国的に“柑橘のメッカ”として知られているのは、日当たりが絶好な段々畑の園地で生産されていることや、イヨカンから始まってポンカン、デコポン、サンフルーツ、清見など生鮮の中晩柑で4000t。そのほかジュース加工もしており、柑橘部会280名という規模を誇っていることです。夏に向けてのギフト用として、P-プラス包装の清見タンゴールとジュースをセットにした商材も用意されているのも、小売店にとっては嬉しい対応です。

生産農家の高齢化や園地放棄も多い柑橘産地にあっても、ここ三崎地区においては、優良な産地を維持し高品質な柑橘の供給を継続してもらうために、JAにしうわでは農作業を支援する仕組みを持っており、県も販売対策に積極的に補助を出しているほど。2代目、3代目の若い生産農家が多いのも納得できます。

6~7月は、国産のスイカ、メロン、サクランボも出てくる時期ですが、輸入のチェリーやグレープフルーツ、ブドウなどが小売の売場の中心を占めがち。国産の柑橘が本格スタートする秋口まで、“柑橘好き”は長い端境期をガマンしなければなりません。そんな意味からも、“最後の晩柑”が楽しめる三崎の「清見」は貴重な存在でもあるのです。

最近、この時期に向けて柑橘各産地から、デコポン、河内晩柑、なつみなどが出回るようになりました。こうした晩柑類の長期販売が可能になったのも、実は、MA包装(P-プラス)を採用する事例が増えているからです。三崎地区からの「清見タンゴール」は、そのなかでも品質、食味だけでなく商品提案という面でも異色を放つ存在であることはいうまでもありません。