2013年11月のP-プラス青果物
富士食品工業【小粒大豆もやし】

ご紹介

今年の秋は、例年になくゲリラ豪雨や台風の襲来が多く、各地で洪水被害が頻発するなど市民生活に大きな影響をもたらしました。とくに秋季には、野菜主産地となる関東地方での被害も甚大で、野菜類も高騰が続いており、消費者とってはまさにダブルパンチ。連日、テレビでの報道も過熱ぎみです。

そんな野菜高騰の際に、家庭の主婦にとっての“救世主”は、なんといっても「もやし」類です。一年365日、いつも小売店頭にはボリューム満点に陳列され、値段も変わらず“お手ごろ価格”。しかも、主婦が調理に応じて選べるよう、商品バラエティーも幅広く品揃えされているのも嬉しい。ブラックマッペや緑豆、大豆など豆類が原料ですから、栄養も豊富な優れモノなのです。

このように、最も身近でオールマイティーなもやしですが、最近とくに注目を集めるようになったのが、栄養成分だけでなく、機能性も高く食味も独特な「大豆もやし」類です。大豆もやしといえば、ナムルやキムチ、ビビンバ、クッパなどの調理で多用する韓国が本場だといわれますが、実は、日本においても江戸時代から製造・販売されていた伝統的なもやしなのです。

そんな伝統ある大豆もやしを、30年前から業務用として商品化し、その後一般家庭用として「小粒大豆もやし」を開発、販売してきたのが、わが国を代表するもやしメーカー、富士食品工業です。とくに同社の「小粒大豆もやし」は、独特の歯ざわり、甘みが強くて煮崩れしにくい、という特徴を持ちながら、「夏場には、その日のうちに食べなくては品質低下する」というほどのデリケートなもやし。それを小売商材とするために、商品開発したのち、当時、技術開発されたばかりのMA包装(P-プラス)を採用して、家庭までの食味保持と店頭での日持ちとを飛躍的に向上させることに成功しました。

いまでは、卸売市場経由とスーパー等の需要先への直接配送という、2パターンの低温物流ネットワーク構築によって、すべての需要者に365日届けるシステムを確立。高鮮度保持、食味保持を徹底追及していますが、その一方で、店頭での試食販売やWEBサイトでのレシピ公開などの情報発信を同時進行させ、この間、消費者への認知度を高める不断の努力を傾注してきました。

その結果、近年の健康・美容志向の高まりのなか、「小粒大豆もやし」の機能性は広く認知されることになったのです。豆類の種子から作られる「もやし」は、もともと良質のたんぱく質を含んでいますが、とくに大豆もやしには、種子の状態ではほとんど含まれていないビタミンCが、発芽後にはなんと5倍にもなること。ビタミンB2も3倍に増加。また、近年注目を浴びているアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が、発芽に伴って生成される、といったことが、いまや科学的に証明されています。

「小粒大豆もやし」は、豆の部分の旨みともやし部分の食感が命。同社では、その特徴がいかんなく生かされるレシピ開発にも意欲的です。辛味を加えた韓国風の利用の仕方に加えて、▽豆乳もやし鍋▽豆もやしと豚肉の重ね蒸し▽豆もやしの混ぜご飯▽豆もやしハンバーグ▽豆もやしとえびのスティック春巻き▽豆もやしボンゴレ▽和風豆もやしロール白菜▽豆もやしとじゃこ、豆腐のサラダ▽豆もやしと桜えびのかき揚げ▽豆もやしと香りじゃこの和え物▽豆もやしとツナのカレー棒餃子▽大豆もやしとたたききゅうりの梅和え…等々、和風から、中華、洋風料理まで紹介する同社のHPには、主婦たちからのアクセスが、毎日数十件もあるとか。

もやしを漢字で書くと「萌やし」。若い芽がどんどん伸びるという意味を持つ動詞「萌える」の名詞形です。最近の流行り言葉である「萌え」に通じることから、若い消費者にも意外な支持があるといいます。もやしが野菜の王様と呼ばれる理由は、それが、もやしの「萌え力」つまり「発芽パワー」が源泉であり、驚きの機能性の根拠にもなっているのでしょう。

当時からMA包装(P-プラス)の鮮度保持効果は1週間から10日もあることを確認しながらも、富士食品工業では「小粒大豆もやし」の賞味期限を、到着から3日間「D+3」と公称してきました。その鮮度・食味保持効果を敢えて訴えなくても、「消費者が食べていただければ分かること」…。それが『富士食品の思い』なのだといいます。