ご紹介
|
10月上旬、兵庫県のJA丹波ささやまから出荷される「丹波篠山黒枝豆」が解禁日を迎えます。昔ながらの“枝付き”結束で約100トンもの黒エダマメが、ほぼこの10月中に販売されるのですが、その5割までが地元の直売所などで直販されるというのも、大きな特徴。地域の人々がいかに、この黒エダマメの出回りを待ちわびているかがわかります。
まさにこの「丹波篠山黒枝豆」の解禁を待って、地元・篠山市では毎年、「丹波篠山味まつり」を開催しているほどです。10月6日~21日の開催期間中、土・日・祝日には各種フェア、イベントが目白押し。「特産振興から食文化創造へ」をテーマに、さまざまな祭りが集うのが丹波篠山味まつりなのです。
京文化の流れをくむといわれる古都・丹波篠山。“丹波の黒豆”として有名な「丹波黒大豆」をはじめ、丹波栗、丹波篠山牛、丹波松茸、丹波篠山山の芋、猪肉など、全国に知られた食材と自慢の料理の宝庫ですが、とりわけ「丹波篠山黒枝豆」はお勧め中のお勧め。かつて人気を博したグルメ漫画「美味しんぼ」でも紹介され、たちまち全国ブランドになりました。
“黒大豆枝豆”といえば、数年前から京野菜の仲間として登場した、京都府開発の黒豆エダマメ「紫ずきん」が話題になっていますが、実は丹波黒大豆の産地であったこの丹波篠山地方では、すでに戦前から黒大豆を若どりした「丹波篠山黒枝豆」を愛好していたといいますから、地域の中で愛され続けた、隠れた名品だったということです。
「味まつり」でも主役の一つは断然に黒エダマメで、パンフレットやポスターでも『丹波篠山黒枝豆は、時間を経て彩りある味わいを表現します。本物の食をお好みでご堪能ください』と、▼第一週は、新鮮でさわやかな味わい ▼第二週は、豊潤でまろやかな味わい ▼第三週は、食通が好む熟成した旨み…と解説し、その“賞味の作法”を教えています。
こうした地元の食文化を、生産面で支えるのはJA丹波ささやまです。管内の約130haのエダマメ産地に対して、丹波黒種子生産協議会と連携しての種子管理と提供だけでなく、安定販売のための出荷予約制や割り当て制度、そして最も肝心なのが鮮度・品質保持によって、1週間単位で変化するという独特の食味を保持するためにP-プラス包装を採用している点です。すでにその歴史は10年以上になるといいますから、全国のエダマメ産地がP-プラス包装を標準的包装形態に採用する、ずっと以前からその効果を先取りしていたことになります。
地元で直販される以外でも、ご当地の黒大豆エダマメは、人気沸騰中。京阪神のデパートからは引っ張りだこ状態ですし、全農を通じて全国の生協の季節野菜としてカタログ販売され、人気商材にランキングされています。隣の岡山県でも促成園芸地帯である愛知県でも、また東北地方の一部でも、最近は黒大豆エダマメの生産にチャレンジするケースが増えていると聞きますが、一貫した種子管理と栽培の歴史、独特の味わい深い食味に関しては、丹波・篠山産はなんといっても一日の長あり。どこの産地も採用しなかった時期から、食味を大切にする生産者は、МA包装(P-プラス)を迷わずに選んでいたことでも、その先見性と先発産地としてのプライドとを伺い知ることができるではありませんか