2012年11月のP-プラス青果物
有限会社妙義ナバファーム【生しいたけ】

ご紹介

冬は、なんといっても鍋のシーズン。寒さが来ると、途端に鍋用の野菜類の動きも活発になるものです。ハクサイ、長ネギに並んで、鍋の必需野菜といえばキノコ類。いまやキノコ類は年間にわたって潤沢に出荷されていますが、それでも多くのキノコ類のハイシーズンは冬場です。10月から急増しますが、冬から春先までが年間レベルでの需要期を形成しているのです。その中でも、最近はシメジに押され気味とはいえ、伝統的に鍋といえば生シイタケが定番でしょう。

今年も、生シイタケのシーズンを迎えました。生シイタケといえば、近年、首都圏の小売業界で注目されているのが群馬産シイタケ、それもMA包装(P-プラス)された商品です。

伝統的なシイタケ王国であった群馬県。近年では東北産地の成長が著しいなか、その伝統を守るようにこだわり栽培された(有)妙義ナバファームの生シイタケが、いま市場でもスーパーのPBとしても、さらに生協の共同購入品としても人気を集めているのです。

同社は、20年(シイタケ栽培の歴史は50年以上・菌床栽培の歴史が20年以上です。)以上のキノコ栽培の歴史がありますが、一気に規模を拡大したのが約10年前に中国産のシイタケの輸入が急増し、セーフガードの対象となった年からでした。群馬県内の多くのシイタケ生産者が、中国産急増の影におびえて生産を中止したり規模縮小するなか、同社は逆に販売額10億円を目指して施設規模を大幅に拡大。いまや年間の出荷量1200トンという大型生産者に成長しています。

甘楽富岡農協などJA系統では大型の産地としのぎを削り、スーパー、生協などの手堅い需要者を確保しているのも、自動計量機やピロー包装機などのいち早い導入で省力化、低コスト化を図っていることと、菌床栽培中心であっても自社ブレンドの培地を開発するなどの“こだわり生産”、そして生シイタケでは採用が難しいといわれたMA包装のノウハウを構築して、小売店でのロス低減や家庭までの食味保持に努めた結果なのです。

現在、キノコの入荷量ではエノキダケがダントツのトップで、続いてがシメジ、そしてシイタケの順。エリンギとマイタケ、ナメコはほぼ同水準にあります。ベスト3が鍋物向け“最強キノコ”類であるのは、偶然ではありません。キノコ類は多少の差があっても年間にわたって需要が定着していますが、これに鍋物シーズンという季節“特需”的な需要が付加される品目が強いという証です。

市場への入荷動向を見る限り、かつての鍋物キノコの王者シイタケは凋落しているように見えます。実際、小売店の売場を見れば、エノキやシメジが大きなフェイスを取っていますが、それでも消費者感覚からいえばキノコといえばシイタケ。しかも、煮物などの調理加工品には、シイタケが中心で利用されています。業務・加工需要を含めると、シイタケの利用率は非常に高いものがあるのです。国産シイタケの課題は、この分野の需要を中国産から奪うことでしょう。

そんな原動力になっているのが、妙義ナバファームの活気に満ちたマーケット戦略であることは間違いありません。