2011年2月のP-プラス野菜
鳥取産【カットながいも】

ご紹介

西日本を代表するナガイモの産地、鳥取県。京阪神地区のお好み焼き需要などを取り込んで成長してきた産地であり、砂地栽培によって素直に伸びたイモと、粘り気のないあっさりした食味を特徴とした「砂丘ながいも」ブランドとして有名です。この特産の品種をベースに、平成15年からは、イチョウイモとのブレンドで開発された「ねばりっこ」が新規参入。増殖技術に苦心しながらも、ヤマトイモのファンからも「食味がいい」とのお墨付きを得て成長。いまや鳥取産は「砂丘ながいも」と、3割にも達した「ねばりっこ」の2本立てブランドを持つまでになっています。

そんな鳥取産ナガイモに、P-プラス包装のカット品が登場して1年あまり。JA鳥取中央では、新品種「ねばりっこ」をカットして個包装。取っ手付きのかわいい小箱に詰めて販売しています。『食のみやこ鳥取県』のロゴ入りの特製小箱には、長さ約15cmにカットしたナガイモ(約300g)が5本入り。価格は「ねばりっこ」が2000円。気軽に土産品として持ち帰りができたり、贈答にはもってこいの"お得感"あふれる商材です。
このカット商材の大きな特徴は、カットするために起きる腐敗や鮮度・食味の劣化を防止するために、防腐効果のある天然資材「ヒノキのおが屑」でカット面をコートしていることと、30日間は鮮度・食味保持ができる鮮度保持フィルム(P-プラス)で個包装していることです。また、これまで同JAは、ナガイモの出荷は進物用の5kg・3kg以外は10kg入りの大箱形態のみでしたが、かねてより京阪神、京浜地区の量販店などから、産地による個包装形態での出荷が要望されていたことにも対応したもので、昨年秋より、大阪市場への出荷が本格化。さらに首都圏市場への供給も計画しています。

開発のきっかけは、「生産者の所得を少しでも増やしたい。持ち運びが便利なカットナガイモなら、ナガイモのイメージを一新してもらえて、気軽な土産物として利用拡大が可能なのでは」(同JA前長芋生産部前田部会長)という発想だったといいます。従来からの進物用ナガイモの出荷形態と市場での販売は、真っすぐで形状が良いものを厳選し、丸のまま3~5本入りの箱入りでした。この形状でお土産品として販売も行っていましたが、長くてかさ張る大箱のままでは持ち帰りにくく、大きな課題だったのです。

そこで、進物にもぴったりなサイズ、デザインをと、ギフト用に適した取っ手付きの小箱を開発し、その小箱の規格に合わせ、「カットながいも」のための鮮度保持方法として包装資材にはMA包装・P-プラスを採用したものです。
産地でのカットと個包装は、青森県産などではすでに採用されてはいますが、鳥取県産ナガイモについては伝統的に大箱での流通が主体。市場業者や小売店の手によって加工され販売されてきました。しかし、新品種である「ねばりっこ」の市場評価が上がってくるに従い、京阪神地区の量販店などから「食味のいい新品種であることをもっと強調し、産地名やブランド名を明示した包装形態にできないか」という要望も強くなってきたといいます。すでに市場では、鳥取産の「砂丘ながいも」「ねばりっこ」ブランドの人気は安定していますが、これに加え、鮮度・食味保持にも万全な配慮をしたカットナガイモを広めることで、「産地・鳥取」の知名度がさらに向上することは間違いありません。