2023/8 【CARTALK】 人とくるまのテクノロジー展 2023 NAGOYA 会場レポート | 住友ベークライト株式会社

人とくるまのテクノロジー展 2023 NAGOYA 会場レポート

自動車分野で採用が進む住友ベークライトの情報通信材料

ご紹介

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人とくるまのテクノロジー展 2023 NAGOYAに“樹脂化”新たな価値の創造を共に!をテーマに出展致しました。
会場のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)は、日本初の国際空港直結型の国内最大級の展示場として2019年にオープンしました。
日本最大の自動車産業の集積地である名古屋で開催した会期の3日間は、100年に一度とも言われる大変革期において、自動車の技術が次にどこに向かっていくのかを考え、新たな視点で物事を捉える、有意義な機会になりました。会期中は多くのお客様に当社ブースに足を運んでいただくことができましたこと、御礼申し上げます。
今回は、出展製品の中から注目の集まった展示について、アテンドメンバーから紹介いたします。

“樹脂化”新たな価値の創造を共に!をテーマに

7月5日~7日人とくるまのテクノロジー展 2023 NAGOYAが Aichi Sky Expoにて開催されました。同展示会には昨年を大きく上回る、約25,000名が来場し、当社ブースにも約1500名の方々にご訪問いただきました。
今回は、名古屋事務所に拠点を置くスタッフを中心に、研究・営業の応援メンバーと一丸となって樹脂の可能性をPRしました。

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樹脂化e-Axleソリューション

「樹脂化e-Axle」「ステータモールド」「ロータ磁石固定モールド」の3点を展示・説明しました。

一番目立つ展示は「樹脂化e-Axle」でした。樹脂材料メーカーが、インバータ、モータ、ギアボックスの樹脂化ソリューションを展開している点に多くの関心が寄せられました。

現在、実際に駆動テストを進行中、今後はその結果を活用してさらにうれしさをお伝えしていきたいです。

ステータモールドでは厚み300um程度の1次モールド形成による絶縁紙代替の提案、コア全体を覆う2次モールドと合わせ、放熱性に関する質問が多く寄せられました。

熱伝導率3wt/Mk相当の樹脂や直冷水路形成のコンセプトについて説明しました。これはステータ設計のアイデアの一つとしてご検討ください。

最後にロータ磁石固定モールドです。エポキシ樹脂材料を使うことで、高信頼性(密着・強度)や高放熱が期待できます。

すでに複数のお客様で実績化いただいている技術ですが「初めて見た」という方もいらっしゃいました。

今後も展示会などで積極的にPR活動を続け認知度up、そこから具体的な案件のお話に繋げてゆけるよう努めます。


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スマートコミュニティ市場開発本部〈名古屋〉
竹之内 孝太

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樹脂化 e-Axleソリューション

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ステータモールド

メッキ複合化技術

メッキ複合化技術として新開発のメッキ対応材料と適用事例を紹介致しました。

フェノール樹脂材料の幅広い設計自由度とメッキの各種機能付与を組み合わせることで、これまで樹脂単体では困難だった耐電磁波・耐ガス透過性を有する金属部品を樹脂化することが可能となります。フェノール樹脂の耐熱性や高精度寸法により、高温で安定したメッキ密着性が確保できる点もPRしました。

お客様からは、今後更なる金属部品の樹脂化を進める上で必要になってくる技術として興味を持って頂きました。今後もPRを進めて認知度向上に努め、金属部品の軽量化やコストダウンに貢献していきたいと考えています。


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HPP事業本部
マテリアルズソリューション営業本部 中村 努

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メッキ対応材料と適用事例

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インバータロアケース(メッキ有り)

バッテリーソリューション

バッテリー周りのソリューション展示をしました。
熱硬化性の特徴である、燃えない融けないを前面に各種素材のご紹介をしました。

高電圧化対応のバスバー絶縁には可撓性に優れた特徴を持つエポキシ樹脂粉体塗料を、バーナー燃焼試験でも燃え抜けることのないフェノール樹脂成形材料による類焼防止板等、「高温・耐熱」特性に優れたソリューションを訴求しています。

EV化を見据えバッテリー周りの要求は更に厳しいものとなりますが、今後も熱硬化性の特徴を活かした素材、工法を提案していきたいと思います。


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HPP事業本部
マテリアルズソリューション営業本部 前佛 伸一

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高電圧化対応のバスバー絶縁

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バーナー加熱試験の展示

「カイダック®」アクリル変性高衝撃塩ビシート材料

アクリル変性高衝撃塩ビシート材料「カイダック®」についてご紹介します。高強度・難燃性を備えた、成形加工性・耐衝撃性・耐薬品性に優れたシート材です。

熱成形(真空・圧空成形)により様々な形状に成形加工し外装部品としてご提案しております。射出成形と比較した場合、小ロット生産や多品種対応が可能でイニシャルコストの低減につながります。標準品種28色のほか、お客様のご指定色にも対応いたします。

今回新たに「カイダック®」ラインナップに“メタル調グレード”3色を規格追加しました。これまで成形後に塗装することでしか出せなかった金属調の意匠を、金属を使用することなく当社独自の配合技術を生かし表現しています。 塗装レス(材料着色)にすることにより塗装剥がれの心配がなくなり、環境負荷の低減に繋がります。


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産業機能性材料営業本部 中日本営業部
東海 聡一郎

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カイダック®成形品

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カイダック®メタル調グレード

電波反射抑制フィルムシート

開発中のスミライトCEL®「電波反射抑制フィルム」についてご紹介します。レーダーといった電波を扱う機器周辺では、電波が筐体を通過しようとする際に反射波が生じ、ノイズになることが考えられます。当社の配合技術と多層化技術を組み合わせ、電波透過性は維持しながら、多層フィルムの各界面で位相の異なる反射波を生み出し、反射波を抑制させる設計を検討しています。当社の評価ではミリ波での抑制効果を確認しております。また、真空成形にも対応できる成形性を有しております。

今回の人とくるまのテクノロジー展 2023 NAGOYAでは、レーダーメーカー様や他の材料メーカー様からのお問合せもあり、注目が高まっていると感じました。お困り事をお聞きしながら、より良いモノづくりを目指し開発を進めて参ります


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フィルムシート研究所
佐々木 研太

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レーダー用レドーム(左)と真空成形品(右)

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電磁波抑制フィルム・シート展示パネル

電波反射抑制フィルムシート

住友電気工業と同時出展で「車載Ethenet用光ハーネスシステム」のデモ展示を行いました。

10Gb/s 超の高速通信規格に対応しつつ、従来のメタルハーネスに比べて軽量・細線化されており車体内を配線しやすい点が特長となります。ユースケースとして、8Kカメラと車載ECU間の光接続を提案し、当社は製品機能の一部である、光信号分配器に使われる光スプリッタ(光導波路)の技術・性能にフォーカスしたご紹介を行いました。

来場者からは車もいよいよ光化が進むのかという期待の声と共に、医療機器、放送機器など他分野でも活用できそうですねとのご意見も寄せていただきました。今後は、市場の声も参考に、様々な用途例をお見せして早期実用化に繋げていきます。


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光電気複合インターポーザ事業開発推進部
荒井 進也

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光スプリッタ(光導波路)パネル展示

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車載Ethernet用光ハーネスシステムのデモ展示

環境対応の取り組み

フェノール樹脂関連製品の環境対応の取り組みとして、非可食バイオマスであるリグニンを活用した「変性フェノール樹脂」や、「フェノール樹脂成形材料開発の変遷」ならびに環境への取組みである「マテリアルリサイクル(端材の水平リサイクル)」「ケミカルリサイクル(亜臨界処理技術)」等を紹介致しました。

また、エポキシ樹脂成形材料では、ネオジム磁石を容易に回収可能な「易解体材料」や「バイオマス由来原料を使用した成形材料」を紹介しました。

来場者からは、各技術によるGHG削減効果や易解体材料を用いた場合の磁石回収メカニズム等のご質問を受け、環境配慮材への関心の高まりを感じました。今後も、継続して環境対応製品及び開発取組みを発信し、展示会における対話の中からお客様の課題解決ソリューションを提案できるよう努めてまいります。


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先端材料研究所 
橘 賢也

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フェノール樹脂関連製品の環境対応の取り組み

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「易解体材料」や「バイオマス由来原料」の展示

カタログ AUTOMOTIVE SOLUTION 2023を公開しています。

カタログ

人とくるまのテクノロジー展で配布しました、自動車関連の製品をまとめたカタログ『AUTOMOTIVE SOLUTION 2023』を公開しました。
PDF形式ですのでPCで見たいという方にお薦め致します。