セグメント別事業概況
クオリティオブライフ関連製品
高付加価値な製品群を市場に投入し、
すべての人の生活の質を高めたい
取締役 専務執行役員小林 孝
QUALITY OF LIFE
2023年度振り返り
ヘルスケア関連では2021年10月にSBカワスミが発足以来、低侵襲治療領域の血管内治療デバイスおよび、消化器内視鏡治療デバイスの品ぞろえが豊富となりシェアが拡大しました。
フィルム・シート事業では、医薬品包装用PTPは環境バイオマス製品の上市と高防湿製品が好調で、過去最高の売上となりました。また、食品用包装では環境対応や鮮度保持、消費期限の延長といったニーズに対応したスキンパック製品の市場創出が進み、拡販につながっています。
産業機能性材料では、主力の汎用製品の数量減少が響き減収となったものの、アイウエア、ヘッドアップディスプレイ用光学材料などの差別化された機能材製品への転換と、汎用材を中心とした生産効率化や価格是正も実施したことで、減収増益としています。
そして、シート防水事業では、屋根の太陽光パネル設置比率の高まりを受け、防水一体型ソーラーアンカーが急伸し、販売・利益に貢献しました。新製品の屋根材料スミルーフも確実に数量増加と損益改善ができているため、今年度以降も期待を持って注力していきます。
2023年度のセグメント業績
主なSDGs目標
事業の特徴・強み
- (医療機器・バイオ関連)
- 低侵襲治療分野における医療機器の製品開発力
- ポリマー設計、微細加工、アッセンブリ技術を活用した創薬支援や再生医療、診断薬への展開
- (フィルム・シート)
各ニッチ市場での高シェア、顧客ニーズへのカスタム対応力、DX活用による営業・モノづくりの効率化 - (産業機能性材料)
偏光・光学制御技術を用いたアイウエア、車載ヘッドアップディスプレイ分野用光学製品、電気特性がトップレベルの絶縁材などの高付加価値製品 - (シート防水)
住宅メーカーの高シェアに加えて、太陽光パネル設置における付加価値の高いアンカー製品の展開 - 「One Sumibe活動」による事業横断でのソリューション提案力
事業におけるリスクと機会
機会
- 医療の高度化・低侵襲治療拡大、再生医療業界の市場拡大
- フィルム・シート事業での、環境対応材のニーズ拡大、フードロスに対する意識の高まり
- アイウエア、ヘッドアップディスプレイをはじめとする光学製品の市場拡大が成長中
リスク
- ヘルスケア関連製品における価格の下落、外科手術の減少、医療機器薬事許認可の長期化
- フィルム・シート事業での、プラスチック包装製品の逆風、主力製品の競争激化
- 原材料価格の高騰
業績の推移(実績と中期経営計画)
2024年度の事業戦略
01. 新製品の早期開発と収益力強化(ヘルスケア関連)
- 血管内治療デバイスなどの差別化製品の開発力を強化し、新製品のパイプラインを拡大
- バイオ事業は、再生医療分野で顧客との協業により高付加価値製品の開発を促進
- 創薬支援分野では糖鎖分析キットをアジアで拡販し、ヒトiPS細胞を使った生体模倣システムを基盤とした事業の拡大
- 不採算品の整理による製品ポートフォリオ改革と、DXの推進による人生産性向上で収益力を強化
02. 成長市場でのグローバル展開(産業機能性材料関連)
- 電動車や運転支援などの先進自動車向け材料や、アイウエア・ヘッドアップディスプレイ用光学材料などの差別化機能製品をグローバルで強化し、事業ポートフォリオの転換を加速
03. 高シェア製品のグローバル展開を加速(フィルム・シート関連)
- 医薬品包装用フィルムは、環境対応ラインナップ拡大とPFAS代替フィルムの開発強化、モノマテリアルフィルムの欧州スペックインを図る
- 産業用フィルムは、中国OSAT向けに開発した高耐電カバーテープを、アジア・アセアン新規顧客に拡大
- 食品用フィルムはスキンパックの認知度を上げ新規市場を創出
04. 住宅領域の事業強化(シート防水関連)
- ユニット部材によるプレハブ工法の価値を顧客とともに追求し、施工方法もDX改革推進
- リフォーム分野にも注力し、屋根材などの新規戦略製品と併せた防水関連事業の拡大を図る