当社は2022年よりAMED再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した高度な創薬支援ツール技術開発)に参加し、東海大学と共同で開発した多臓器の連結培養が可能なMPS(Microphysiological System)デバイスを今年7月に試験販売しました。
今回は本MPSデバイスを使用した東京大学との共著論文Gut-liver microphysiological systems revealed potential crosstalk mechanism modulating drug metabolismをご紹介いたします。
本研究では、キメラマウスから採取した初代ヒト肝細胞(PXB細胞)とヒトiPS細胞由来の小腸細胞をMPSデバイスに共培養させました。共培養と酸素供給により、PXB細胞のアルブミン分泌量と複数種のCYP活性が増加し、小腸細胞のバイリア機能も維持されることが確認されました。さらに、酸素供給ありで共培養したPXB細胞では、アラキドン酸代謝過程に関連する遺伝子の発現が上昇しました。
これにより、小腸細胞はPXB細胞から分泌された胆汁酸の刺激を受け、CYP活性を増強させることが推測されました。当社のMPSデバイスは、創薬において動物実験代替法として有望な技術となることが期待されます。
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