今回はFrontiers in Cell and Developmental Biologyに発表された論文:Proteomics and disease network associations evaluation of environmentally relevant Bisphenol A concentrations in a human 3D neural stem cell modelをご紹介します。
ビスフェノールA(BPA)は、プラスチックや接着剤の製造に広く使用される一方で、内分泌かく乱物質としてその影響が懸念されています。
本研究では、0.01、0.1及び1μMのBPA濃度での反復暴露による神経発達異常や脳障害への影響を評価しました。脳発達の初期段階評価に適したNSCスフェロイドモデルを、PrimeSurface®V底プレートを使用して作製し、評価に使用しました。BPA暴露によりスフェロイドが小さくなる一方で、細胞生存率には大きな差が見られなかったことから、BPAがNSCの増殖分化の分子メカニズムに影響を与える可能性があることが示唆されました。プロテオーム解析を行い、Wntシグナル伝達経路関連因子などNSCの増殖と維持に重要な機能を持つタンパク質の発現変化を示す新しい知見が得られました。 |