TECHNOLOGYフィルム技術
日本初!
バリアスキンパック
「おいしさスキン®」
住友ベークライトは日本初のバリアスキンパックフィルム「おいしさスキン®」を開発。
高度な技術力により従来にはない追従性をもったスキンパックフィルムの開発に成功しました。2019年12月に「おいしさスキン®」として商標登録されております。
スキンパックの仕組み
どんな形の内容物でも形を崩さずに包装
機械で加熱した蓋材のフィルムを製品に被せ、密着させると共に空気を抜くことで内容物にピタッと追従する包装ができあがります。
様々な形の内容物を形を崩さずに包装することができますが、特に精肉においては、密着することでドリップが軽減され、消費期限延長の効果があります。
架橋技術
スキンパックフィルム密着の秘訣
弊社のスキンパックフィルムは高追従性を実現するために、①高追従を実現する原料の選定 ②独自技術の「架橋」という加工をフィルムに施していることが挙げられます。
そもそも「架橋」とは?
熱、光などのエネルギーを加えることによってフィルムの分子同士が手をつないで網目構造となり、強度を向上させる技術のことです。架橋により網目構造持たせたフィルムはゴムのような特性があり、スキンパックの場合、成型時に熱をかけ、冷却する過程でこのゴムのような特性が活かされ、ぴったりと追従した包装を可能にします。
下記が架橋加工前と後でのフィルムの追従性の違いです。架橋加工前ではパックこそできているものの内容物にフィルムが追従しきれずしわになっています。それに対して、架橋後のフィルムは隅までぴったりと追従していることがわかります。
架橋フィルム有無の比較
追従しきれずしわに
しわなく追従
特許に関して
スキンパックに関する技術は下記の特許を取得しております。
- 特許6741121
- 特許6741120
- 特許6863417
- 特許6922966
- 特許6911902
- 特許6930632
- 特許0947243
- 特許7004023
- 特許7070643
- 特許7070644
- 特許7070645
- 特許7124945
開発経緯
バリアスキンパック上市にあたり、弊社の開発経緯をご紹介いたします。社会環境の変化
近年、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」の中において食品ロスが大きく注目されています。現在、日本国内で発生している食品ロスは年間570万トン。国民一人当たりにつき年間約45キロを廃棄していることになります(「総務省人口推計(2019年10月1日)令和元年度食料需給表(確定値)」)。1976年より40年以上にわたり食品用包装フィルム・シート事業を営んでいる弊社は早くより消費期限延長による「食品ロス削減」の観点に着目し、日本で初めてバリアスキンパックフィルムの開発に成功しました。そして2020年12月に『おいしさスキン®』として商標登録しており、既にお客様の商品においてその効果を実感いただいております。
また、他の社会課題として人手不足やプラ使用量削減も挙げられます。食品業界ではストローの紙化が進んでいったように、トレーも紙化のニーズが増えると予測されています。高い鮮度保持能力と紙トレーとも相性が良いバリアスキンパックは様々なニーズへのソリューションとなるのです。
量販店におけるアウトパック化への意向
量販店においても人材不足、人件費高騰の理由で、各店舗での加工/パックからプロセスセンターでのアウトパック化や産地パックへ移行が進んできております。パックした精肉を店舗に並べるまでに時間を要する為、鮮度保持のニーズが高まっており、今後スキンパックのニーズはさらに強まっていくのではないかと推測されます
スーパー各店舗で加工/パックするオペレーションは限界を迎えている
スキンパックフィルム設計段階での障壁
社会環境の変化、量販店のアウトパック化への移行を踏まえ、スキンパックフィルムの設計を開始していきますが、設計当初はフィルムの収縮力不足、内容物を潰してしまうという等の問題が発生しました。
これらの事象を分析し、スキンパックフィルムの要求特性を洗い出しました。
要求特性
- 1 耐熱性(熱板直接加熱での熱トラレ耐性)
- 2 優れた追従性を有すること(浮きが無いこと)、内容物を潰さず追従できること
上記の要求特性を満たす為に、設計検討を繰り返し、架橋技術によるフィルム設計に辿り着きました。