必要な特性に加工した機能性化学品を、 社会の様々な分野に供給する
化学メーカーは、原油や天然ガスを精製した直後の原料を加工して汎用性の高い基礎化学品を製造するメーカーと、そこから基礎化学品を調達して最終的に使用する形態に近い樹脂やガスといった機能性化学品を製造するメーカーに分かれます。住友ベークライトは後者。もともと、サプライヤーである基礎化学品メーカーからフェノールとホルマリンの提供を受けて、硬度や耐熱性に優れるという特性を与えられたフェノール樹脂を製造し、カスタマーとなる最終製品メーカーに供給したのが事業の出発点であり、今日でもこのビジネスモデルは大きく変わってはいません。
現在では培ってきた開発・製造技術により様々な機能や特性を持った樹脂製品を製造し、幅広い用途に当社の製品が使用されています。今までに無かった優れたプラスチックを提供することに挑み続け、市場の期待に応えていく…それが、住友ベークライトの100年経っても変わらずに息づく社風であり、この企業で働く醍醐味でもあるのです。
プラスチックの可能性を引き出し、 便利で豊かな社会を次々と実現
プラスチックのパイオニアと呼ばれる住友ベークライト。1907年にベークランド博士がアメリカで発明したフェノール樹脂の国産化ライセンスを、1911年に高峰譲吉博士が取得したのが、現在まで続く歴史の出発点です。以来、加熱で硬度を大幅に増す熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂をコア材料に様々な製品を展開。古くは黒い電話機に使用され全国のオフィスや家庭で使用されました。20世紀後半にはメラミン樹脂とフェノール樹脂で構成される化粧板の「デコラ」を開発。傷つきにくく自在な発色や柄が可能な「デコラ」は家具や建材、車両内装材等に普及し、カラフルな社会をもたらしました。その後、加熱すると柔らかくなる熱可塑性樹脂の製造にも着手し、薬のパッケージや食品包装フィルム等の分野に進出しています。薬や食品の保存性が高まり、取り扱いも楽になり、生活がいっそう便利になりました。
一方で、様々な樹脂製品の研究開発を通じプラスチックの成形技術が進み、1980年代には絶縁性や加工のしやすさを活かしてICのパッケージ(封止材)に進出。今日のIT社会の興隆にも一役買ったと言えるでしょう。このように、住友ベークライトの研究開発の成果は、いつの時代も新しい社会の創出をもたらします。そして、それは今後ますます顕著になるはずです。
人の暮らしを支え続けるとともに、 持続可能型社会の実現へ向かう
住友ベークライトは今、物質創製、革新プロセス、高度評価解析技術等のコア技術を結集し、3つの創生領域として、車両・航空機、高集積デバイス、ヘルスケアを核とする成長戦略を掲げています。
車両関連では、自動車部品用材料の金属から樹脂への置き換えで、軽量化による燃費向上を目指す世界の自動車産業を強力に支援。航空機部材では、フェノール樹脂の複合材により、内装材の難燃性と軽量化の両立を実現しました。高集積デバイスにおいては未来のIoT社会が要求する半導体製品のさらなる高集積化等に貢献し、ヘルスケアでは血管内治療で画期的な術式を可能にした先端医療デバイスを開発しました。
また、バイオ技術により植物から今までの化学原料と同等の材料を抽出する技術に成功し、CO2排出量の削減や省資源への貢献も進めています。
住友ベークライトはプラスチックの進化を通して、これからも未来の社会をつくっていくのです。
住友ベークライトは、さまざまなコア技術を用いることで、
3つの創生領域を中心とした新製品の立ち上げを加速し、新たな価値を提供し続けます。自動車、航空機分野
高集積デバイス分野
ヘルスケア分野